2019年シーズンからフェラーリ昇格が決まっているシャルル・ルクレール。直近の第17戦日本GP鈴鹿、第18戦アメリカGPとリタイアが続いたが、第19戦メキシコGPでは堂々の7位入賞を果たした。
予選では9番手の速さを見せ、さらに絶対的に不利と思われた中古ハイパーソフトタイヤでのスタートから驚異的なタイヤマネージメントで2018年シーズン8度目のポイント獲得。そのおかげでザウバーはトロロッソ・ホンダを抜き、コンストラクターズ選手権8位に上がった。
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─素晴らしいレースでした。
ルクレール:ありがとう。7位入賞という結果も素晴らしいし、何より走りの内容自体が、すごく満足のいくものだった。タイヤをいかに持たせるかが勝負になるのは、最初からわかってた。だからスタートしてからレースの大部分はずっと、そのことだけに集中してたんだ。
─中古ハイパーソフトを13周目まで引っ張ったのも凄いですが、それから60周近く走り続けたスーパーソフトタイヤで、終盤に自己ベストを連発し続けました。
ルクレール:そう。あの自己ベストは、本当に気持ちよかった。終盤にあれだけ攻めた走りができたのは、何より完璧なタイヤマネージメントの証明だったからね。二コ(・ヒュルケンベルグ)にもジリジリと近づいていって、でも最終的に届かなかったのは残念だったけどね。今回のルノーは、週末を通じてずっと速かった。
─対照的にザウバーは、初日は苦戦してました。
ルクレール:フリー走行は、本当にボロボロだった。そこから大きくセッティング変更して、予選でトップ10に入って、レースもダブル入賞できた。それにもすごく満足してるよ。その結果、コンストラクターズ選手権でついにトロロッソ・ホンダを抜いて8位に上がったしね。
─中古のハイパーソフトでスタートしたのは、かなり不安要素だったのでは?
ルクレール:実際、最初のスティントは、本当に苦しかった。スタート直後は速かったけど、あっという間に垂れていったからね。それでもグリッド順位の9番手は、何とか死守できた。
─予選後に話を聴いた時は、「スタートタイヤを選べる11番手以下の選択も、議論した。でもひとつでも上のグリッドに行きたかった」と、話してました。
ルクレール:うん。でも実を言うと、そうコメントしてる最中も、ほんとにハイパーソフトでまともに走れるだろうかって、すごく不安だったんだ。せいぜい3周ぐらいが限界じゃないかって(笑)。
─それが13周目まで引っ張った。
ルクレール:そう。でも最初のプランでは、もうちょっと長く走ることになってた。あれが本当に、限界だったよ。
─(セルジオ・)ペレスと抜きつ抜かれつのバトルを繰り広げて、メキシコ人ファンの反応が気になったのでは?
ルクレール:レース前から、フォース・インディアが必ず上がってきて、僕らと戦うことになるだろうと思ってた。実際その通りになったし、一度僕が抜いた時は、さぞファンは不満だっただろうね(笑)。最終的に抜かれたけど、でもペレスはもう一度、ピットインする戦略だったはず。リタイアしてなくても、僕の方が前でフィニッシュしてたと思う。
■トロロッソ・ホンダを抑え、コンストラクターズ8位に浮上したザウバー
─初日のセットアップ変更は、具体的には?
ルクレール:主に足回りの変更だった。最初はエンジニアは問題ないって言ってたんだけど、僕が何度も主張して最後は聞き入れてくれた。よかったよ。あそこで大きく変更してなかったら、この結果はなかったからね。
─ハミルトンの5冠達成について、一言。
ルクレール:歴史に残る偉業だし、そんなドライバーといっしょにレースができるのをうれしく思うよ。
─来シーズンは、ハミルトンと一騎打ちの場面も?
ルクレール:そうなったら、うれしいね。まだ僕には学ぶべき点がたくさんあるし、今はいうまでもなく彼の足下にも及ばないレベルだよ。
─フェラーリとベッテルは、今年も敗れてしまいました。
ルクレール:確かにその通りだけど、レースの世界に勝者と敗者が生まれるのは厳然たる事実だからね。そして勝者が永遠に勝ち続けることも、ないわけだし。フェラーリは必ず巻き返すよ。
─今回トロロッソ・ホンダを抜きましたが、このままコンストラクターズで8位をキープできそう?
ルクレール:あと2戦、ベストを尽くすよ。向こうも戦闘力を上げてるし、決して油断は出来ない。でも8位と9位とでは、チームに入るお金が全然違う。ぜひこのまま行きたいね。
─ドライバーズ選手権では、ピエール・ガスリーにも追い付きつつあります。
ルクレール:そう。それももちろん狙ってるよ。ガスリーに2ポイント、(ロマン・)グロージャンにも4ポイント差まで迫ってるからね。でもさっきも言ったように、両チームの戦闘力を見る限り、決して簡単な戦いじゃないだろうけどね。