求職者が消費者であることを忘れて選考過程でぞんざいな対応を取ると、購買意欲を削いだり、企業イメージを低下させたりしてしまうようだ。マンパワーグループは10月30日、「ネットショッピング化する求職活動:消費者でもあるキャンディデイト」を発表した。同社は日本を含む24カ国で18~65歳の求職者1万7995人を対象に調査を実施した。
求職時に嫌な体験をすると、今後その会社の製品やサービスを買いたくなくなると答えた人はグローバル平均で54%に上った。日本でも52%の人が買いたくなくなると答えている。一方、自分が購入し使用している製品を生産している会社で働きたいという人は、日本では37%に留まっており、グローバル平均の56%を大幅に下回っている。
「応募に返答がない」「応募への返事が遅い(6~8週間後)」も悪印象
求職者の購買行動に影響を与えた要因は、「給与・職務内容が不明瞭」が63%で最も割合が大きく、次いで「応募に返答がない」と「面接でのネガティブな体験」がそれぞれ59%だった。
日本では、グローバル平均と同様「給与・職務内容が不明瞭」が62%で最も多く、次いで「応募に返答がない」と「応募への返事が遅い(6~8週間後)」がそれぞれ59%だった。
また求職者の61%は選考での嫌な経験を周囲の人へ伝えている。そして50%の人は友人が嫌な経験をしたら、自分もその企業の製品やサービスを買いたくなくなると答えている。嫌な経験をSNSに投稿する人も19%、企業レビューサイトに投稿する人も10%いる。
同社のジリ・ハルブルスタット氏は、
「悪い口コミは、良い口コミより早く広がります。キャンディデイト(求職者)は、嬉しい体験をすれば友人ひとりだけに話しますが、ネガティブな体験をした場合には、50人にその体験を伝えます」
と企業に警告している。
求人への応募がネットショッピングと同じくらい簡単になればいいという人はグローバル平均で50%だった。特にマレーシア(68%)やポーランド(67%)、インド(60%)で割合が高かった。日本は35%で下から3番目だった。