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西畑大吾、新庄役で飛躍の予感 『僕らは奇跡でできている』は“ものの見方”を教えてくれる

2018年10月31日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 一輝(高橋一生)は、授業中に歯が痛いと訴える新庄(西畑大吾)を、育実(榮倉奈々)の歯科クリニックへと連れて行く。相変わらず“変わり者”だと見られていることに変わりはないが、少しずつ生徒たちとの距離も縮まってきているようだ。


参考:西畑大吾、『僕らは奇跡でできている』第4話を語る 「“新庄くんの回”といっても過言ではない」


 10月30日に放送された火曜ドラマ『僕らは奇跡でできている』(カンテレ・フジテレビ系)第4話では、一輝が自身の受け持つ授業を突如休講に。とある山間でタクシーに揺られていた彼は、窓外にイノシシを見つける。イノシがいた畑の方へと向かった一輝だが、その畑で“芋泥棒”との疑いをかけられることになる……。


 今回フォーカスされたのは、これまで一輝に少しばかり反抗的な態度を取っていた生徒・新庄。一輝を泥棒だと勘違いしたのは、まさかの群馬に住む彼の父親だったのだ。誤解はすぐに解けたようで、一輝は新庄家の生業である“こんにゃく作り”に興味津々。親から連絡を受けた新庄は、同級生である青山琴音(矢作穂香)らに押され、いつもの仲良し4人組で一路群馬の新庄家へと向かう。


 新庄は、家業が群馬の田舎でこんにゃく作りをしていることに対し、コンプレックスを持っている。だが同時に、“田舎でのこんにゃく作りをダサいと思ってる自分が1番ダサい”ことを自覚してもいる。彼の心は、こんにゃくに魅了された一輝の熱弁によって、少しずつ解きほぐされていく。一輝の言葉とは、「こんにゃくだけ見ていると、偉大さに気づけない。存在感を消してこそ、その存在感を発揮できる」というものだ。たしかに、おでんも、すき焼きも、こんにゃくなくして成立しない。そして、複雑な工程や天候などによって左右されるこんにゃく作りを長年続けている、新庄の父を「すごい」と評したのだ。


 そんな新庄を演じる西畑だが、まだ21歳の若手俳優とあって、映画やドラマの出演作は多くはない。今作で彼の存在を認知した方も多いだろう。ジャニーズJr.としても活躍する彼だが、『ごちそうさん』(2014・NHK)、『あさがきた』(2016・NHK)と、すでに朝ドラには2本も出演しており、このことは彼が俳優として期待をかけられている証だと見て取れる。今作でも、なかなか素直になれない不器用な若者の心の機微を、湿っぽくならず、あっけらかんと演じている。彼の所属する関西ジャニーズJr.内のユニット、なにわ男子も活動を開始したばかりであり、今後ますます目が離せない存在だろう。


 ところで、気になるのは一輝と育美の関係である。今回は物語冒頭とラストでしか顔を合わせることのなかった2人だが、またも育美からの印象は良くはない。彼女が恋人との関係に思い悩んでいたところ、一輝がこんにゃくの話をしたことで、現在抱えている自身の問題とリンクしてしまい、傷つける形となってしまったのだ。その言葉とは、“奥に隠された見えないものを見ること”の大事さを説くものであった。次週は2人の間に大きな展開があるようだ。一輝は新たにどんな“ものの見方”を示してくれるのだろうか。(折田侑駿)