2018年10月30日 19:02 弁護士ドットコム
弁護士に対し、大量の懲戒請求がなされた事件では、対象となった一部の弁護士が、懲戒請求者を相手に複数の訴訟を起こしている。
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事件に関連する動きとして10月29日、発端となったブログ「余命三年時事日記」が1カ月ぶりに記事を更新。詳細は不明ながら、神原元弁護士ら3人相手に同日、7億2000万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こしたことを明かした。
なお、提訴するには手数料を印紙で納める必要がある。ブログの内容が事実なら、印紙代は218万円になる計算だ。印紙代は、控訴や上告にもかかり、提訴が事実かどうか疑問視する声もある。支払いを猶予する「訴訟救助の申立て」という制度もあるが、必ずしも認められるとは限らない。
同ブログには「以降とりあえず10件ほど予定している」と記してある。
この問題は、朝鮮学校への補助金交付をもとめる弁護士会の声明に対し、同ブログが懲戒請求を呼びかけ、雛形を使った賛同者たちが懲戒請求したというもの。
10月29日夜のNHK「クローズアップ現代+」では、懲戒請求を呼びかけたブログ運営者にも直撃。インターホン越しに「別にやれと命令しているわけでもないし」と答える様子が放送された。「責任は感じませんか」との問いには「感じるわけがないよ」と述べている。
放送前に書かれた同ブログは、番組内容について「ねつ造、偏向の塊となる可能性が高い」と記述。「NHKはいずれ近いうちに提訴する」としている。
大量懲戒請求事件では、和解を申し出る請求者もいるが、訴訟に発展したケースもある。金竜介弁護士(東京弁護士会)が在日コリアンであることを理由とした不当な懲戒請求だとして、請求者の男性を訴えていた訴訟では、東京地裁が10月23日、金弁護士の主張をおおむね認め、計33万円の支払いを男性に命じている。
ただし、この訴訟で、男性は答弁書を出しておらず、反論していない。ほかの訴訟では答弁書が出ているといい、決着にはまだ時間がかかりそうだ。
弁護士ドットコムニュースは、別の弁護士から訴えられた2人の請求者について、裁判所で手続きして答弁書を閲覧した。いずれも都内在住で、答弁書の中身は同じだった。その内容によると、同種の訴訟は少なくとも20件以上あるという。
(弁護士ドットコムニュース)