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MotoGPオーストラリアGP:時速300キロのハードクラッシュ。マルケス「少しだけレイトブレーキングだった」

2018年10月29日 20:51  AUTOSPORT web

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ザルコと接触し、テールカウルを損傷したマルケス
MotoGP第17戦オーストラリアGPの決勝レース中、6周目にそのアクシデントは起こった。3番手を走るマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)とその後方を走っていたヨハン・ザルコ(モンスター・ヤマハ・テック3)が接触。ザルコが激しくクラッシュしたのだ。

 アクシデントが起きたのは6周目の1コーナーだった。ポールポジションからスタートしたマルケスは5周目に順位を落としながらも、接戦を展開するトップ集団で3番手につけていた。片や3番グリッドからスタートしたザルコは、混戦となっていたトップグループのなかでマルケスに続き4番手で5周目を終えている。

 6周目、メインストレートを加速して1コーナーに入る直前に、マルケスのリヤタイヤと背後から迫ったザルコのフロントタイヤが接触。スピードに乗った状態での接触にザルコは激しくクラッシュし、マシンとともにグラベルに滑っていった。幸いにもザルコに怪我はなかった。

 一方、マルケスはクラッシュすることはなかったもののザルコのマシンが接触して飛び上がった際にテールカウル部分を損傷。シートレールが折れるダメージを負い、マルケスはその後ピットに戻ってリタイアを選択している。

 マルケスはこのアクシデントについて「何が起こったのかわからなかったよ」と状況を説明する。

「ともかく怒りを感じたよ。リヤにぶつかった感触を感じたからね。シート部分が壊れてしまったから、レースを続けられなかった。もうライディングできなかったんだ」

 マルケスはピットに戻り、接触の様子を映像で確かめたという。このとき、ザルコと接触したことを理解した。

「これはレースアクシデントだ。あのポイントでは速度がとても速く、300km/h以上ものスピードに達する。あのとき僕はジャック・ミラーの後ろにいて、少しだけブレーキを遅らせたんだ。そして後ろに衝撃が走った」

 ザルコもこのアクシデントについて、「ジャック・ミラーとマルク・マルケスのスリップストリームを使っていたんだ。1コーナーに向けてブレーキングしたとき、かなりの速度が出ていた。マルクのリヤタイヤに接触して、吹っ飛ばされてしまった。大きなクラッシュだったけれど、僕は大丈夫だ」と語っている。

 ザルコ同様にマルケスも「ザルコは僕たちふたり(ミラーとマルケス)のスリップストリームを使っていた」と語っており、マルケスがレイトブレーキングを仕掛け、一方でザルコはスリップストリームで勢いよく加速していた。そのふたりが交錯したアクシデントと言えそうだ。

「ザルコとはもう話したよ。今日言えることは、本当にラッキーだったということさ。僕もヨハンも無事だった、それが重要なことなんだ」と語るマルケス。マルケスが語る通り、重大事故にならなかったことは不幸中の幸いだったと言えるだろう。