ELMSヨーロピアン・ル・マン・シリーズ最終戦ポルティマオは10月28日、ポルトガルのアルガルベ・サーキットで4時間に渡る決勝レースが行われ、ユナイテッド・オートスポーツのフィリペ・アルバカーキ、フィル・ハンソン組22号車リジェJS P217・ギブソンが前戦スパ・フランコルシャンに続き総合優勝を飾った。
青空が広がるものの、風が強く気温15度前後と肌寒い気候のなかで迎えたELMS最終戦。決勝はスタート直後の1コーナーでパニス・バルテズ・コンペティションの23号車リジェJS P217・ギブソンが、ポールスタートのデュケイン・エンジニアリングの29号車オレカ07・ギブソンを交わしてトップに立つ。
抜かれた29号車オレカはフルコースイエロー(FCY)を挟んだレース開始1時間後に実質トップに返り咲くものの、左リヤサスペンションが破損したことでタイヤスモークをあげながらスロー走行に。ピットでのマシン修復を余儀なくされ、その後リタイアとなった。
一方、上位陣ではユナイテッド・オートスポーツの22号車と32号車リジェ、パニス・バルテズの29号車リジェ、すでに王座を決めているGドライブ・レーシングの26号車オレカ07・ギブソンという4台のマシンがトップ争いを展開。
各チームがエースドライバーを送り込んでくる終盤のスティントとなると、総合4番手で23号車リジェのステアリングを託されたウィル・スティーブンスが32号車リジェ、26号車オレカを抜いて総合2番手に浮上する。
スティーブンスはこの勢いのまま首位を走る22号車リジェのアルバカーキの背後まで迫ったが、最後はわずか0.520秒届かず。ユナイテッド・オートスポーツの22号車リジェは、降雨短縮レースとなった第5戦スパに続く2018年シーズン2勝目を連勝で飾ることとなった。
26号車オレカと32号車リジェによる総合3位争いはアンドレア・ピッツトーラ駆るGドライブに軍配。しかし、26号車オレカはジャン-エリック・ベルニュがGTEマシンを走路外から抜いたことで、レース結果に10秒のペナルティを受けることに。
この結果、26号車オレカから9.4秒差の4番手でチェッカーを受けた32号車リジェが総合3位に繰り上がり、昨シーズンから続く“オレカ優勢”のなかでリジェJS P217勢が初めて表彰台を独占した。
■2019年ル・マン24時間の自動招待チームが決定
LMP3クラスはインター・ユーロポール・コンペティションの13号車リジェJS P3・ニッサン(ヤクブ・スミエフスキー/マーティン・ヒッペ組)が、またGTEクラスではWEC世界耐久選手権でもお馴染みのプロトン・コンペティション、77号車ポルシェ911 RSR(クリスチャン・リード/マービン・ディエンスト/デニス・オルセン組)が今季初優勝を最終戦で達成している。
前戦で確定したLMP2クラス以外のシリーズチャンピオンは、今季2勝を挙げたRLR Mスポーツの15号車リジェJS P3・ニッサン(ジョン・ファラーノ/ジョブ・バン・アイテルト/ロバート・ガロフォール組)が、LMP3クラスのドライバーズとチームズのダブルタイトルを獲得。
GTEクラスはプロトン・コンペティションの88号車ポルシェ911 RSR(ジャンルーカ・ローダ/ジョルジョ・ローダ/マッテオ・カイローリ)が、前年王者のJMWモータースポーツを破ってダブルタイトルを決め、Gドライブ・レーシング、RLR Mスポーツとともに2019年のル・マン24時間レース自動招待枠を獲得している。