10月31日のハロウィン当日に先駆けて、27日夜から28日未明にかけて、東京都渋谷区の繁華街には仮装した若者が多く詰めかけ、軽自動車を横転させたるなどのトラブルが相次いだ。29日の『モーニングCROSS』(MX系)では、この大混乱について出演者が見解を示した。(文:石川祐介)
ジャーナリストの下村健一氏は「他の騒ぎとハロウィンの騒ぎの決定的な違いは、みんなが仮装していること。要するに本人じゃなくなっている」とハロウィンは匿名性の世界が広がっており、サッカーの日本代表戦で渋谷に集まって騒ぐケースとは違うと解説する。
「日本のハロウィンはコマーシャリズムがきつい」という意見も
そして、
「ますます、(仮装することで)そういうことがやりやすくなっちゃう。そういった意味ではネットが荒れやすいのと似ている。みんなが本名でないところでやっている」
と仮装したことで自分を律することを忘れてしまい、問題行動を起こしやすくなると指摘した。ジャーナリストの金子稚子氏は「なんか抑制されたものを開放しているように見える」と日頃溜め込んだストレスを、ここぞとばかりに発散していると語った。
また、専修大学経済学部准教授の恒木健太郎氏は「海外でカーニバルとか、同じような事があるっていうのは聞いたことがあります。こういったことはよくあることとは言いたくないんですけど、起きやすいですよね」とお祭りごとにはこういった問題は付きものであると冷静に分析する。
「ただ一方で、コマーシャリズムがきついかなって気もします。特に日本の場合ですと、もともと外来のイベントが多いですから、クリスマスとかバレンタインデーに関しても、ものすごくコマーシャリズムがキツイ中で、こういったことが起きているっていうのもちょっと考えもの」
日本の催し物は海外から輸入されたものが多く、本来の趣旨とは逸脱したものが多く、商業的な色合いが強いものになっているという。そして、
「いわゆる、コマーシャルなもの、商業的な路線に入れたいのであれば、それなりのことは考えてしかるべき」
と話した。ハロウィンは企業が消費を促すために牽引した"興行"のような雰囲気が強く、日本の文化や宗教が発信ではない。ある程度の自由は認めつつも、厳しくルールを設けたほうが良いのではないだろうか。
渋谷区はハロウィン当日、ゴミのポイ捨て対策として臨時エコステーションを設置し、フィッティングルームやメイクルームを設けるなども検討している。今回以上の騒ぎが当日に起こらないことを期待したい。