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WRCスペイン:ダブルタイトル獲得の可能性を残したトヨタ。マキネン代表「自信を持って最終戦に臨みたい」

2018年10月29日 11:22  AUTOSPORT web

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パンクで優勝争いから脱落するも最終日に巻き返しをみせたオット・タナク
10月28日にWRC世界ラリー選手権第12戦ラリー・スペインの競技最終日となるデイ4が行われ、3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入しているTOYOTA GAZOO Racing WRT勢は、総合トップに立っていたヤリ-マティ・ラトバラはパンクで遅れ総合8位で終るも、オット・タナクが6位、エサペッカ・ラッピは7位に入り、マニュファクチャラー選手権首位をキープした。

 ラリー・スペインの最終日となる競技4日目は、ターマックステージの4SS、計61.70kmの走行が行われた。早朝は一部の路面が濡れていたが、すぐに乾きドライコンディションで競技は行われる。

 4.7秒差をリードして総合トップで最終日に挑んだラトバラは、SS15でステージ7位となり総合2番手に下がってしまう。まだまだ優勝争い圏内だったが、SS17でガードレールに接触しタイヤはパンク。50秒近いタイムロスとなりポジションダウン。今季初優勝を挙げることはできず、総合8位で第12戦を終えた。

 トップ走行も競技3日目のパンクでポジションをダウンしたタナクは、SS16でステージ2位を獲得するなど意地を見せる。

 パワーステージとなる最終SSのSS18では、優勝争いをする王者たちを抑えステージトップを獲得。貴重なボーナスポイントを追加し、総合6位でフィニッシュしたタナクは、ランキングトップのセバスチャン・オジエとの差を23ポイントに抑え、ドライバータイトルの望みを辛うじて最終戦に残すこととなった。

 ラッピは目標である完走を果たし、総合7位でフィニッシュ。タナクと共にマニュファクチャラーズポイントをチームにもたらし。12ポイント差でマニュファクチャラートップを死守。最終戦のラリー・オーストラリアでWRC復帰2年目でのタイトル獲得を目指す。


 ふたりのドライバーが優勝争いを展開するもパンクでポジションを落としてしまった厳しい結果に、チーム代表のトミ・マキネンも悔しがる。

「多くの浮き沈みがあったが、最初から最後まで素晴らしい戦いが続き、信じられないような週末だった」

「良い結果が得られそうだったが、望んだ結果にはならなかった。しかし、3人のドライバーは最後までラリーを戦い抜き、マニュファクチャラー選手権にとって重要なポイントを獲得した」

「オットはパワーステージで最高の結果を残し、ドライバーズタイトルの望みを繋ぐことができた。我々には速いドライバーたちと、速く、そして信頼性の高いクルマがある。自信を持ってラリー・オーストラリアに臨みたい」と期待を述べた。

■タナク「失うものはなかった」
 2度のパンクでタイムを失い今季初優勝を逃す結果となったラトバラは、「SS17のコーナーでガードレールの支柱に当たり、タイヤがパンク。そのままステージの半分を走らなければならなかった」

「自分のミスを心から悔やんでいるけど、コンマ1秒の差を争う状況ではあり得る事だよ。望んでいた結果ではないけど、今週末のパフォーマンスには満足している」と振り返る。


 最終戦ラリー・オーストラリアにチャンピオン獲得の可能性を残したタナクは、「パワーステージでは僕に失うものはなかった。チャンピオン争いで生き残るためには計算上唯一のチャンスだったので、本当にハードに攻めたよ」とコメント。

 最終戦となるラリー・オーストラリアは、11月15日から18日にかけて、オーストラリア東海岸のコフスハーバーを中心に開催。

 様々なグラベルステージが設定され、ドライコンディションでは路面が滑りやすいルーズグラベルに覆われ、早い出走順のドライバーが不利となるも、森林のステージではクルマが巻き上げるダストがなかなか収まらないこともあり、先頭スタートのドライバーが有利。出走順が大きく影響してくるラリーとなる。