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TWICE、BLACKPINKに続く韓国ガールズグループは? Red Velvet、MOMOLANDらに注目

2018年10月29日 11:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 現在、日本国内では2010年前後に続き第2次KPOPブーム・第3次韓国カルチャーブームにあると言われている。2017年に日本デビューし、日本でもK-POPファン以外の一般層まで幅広くファンを獲得しつつあるTWICE、『東京ガールズコレクション(TGC)』などファッション系のメディアを中心にガールズカルチャー分野で支持を獲得しているBLACKPINKなどに続き、2018年は韓国の女性アイドルグループが続々と日本進出している。


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 大きかったのは少女時代、f(x)と同じSMエンターテインメント所属のRed Velvetの日本デビューだろう。2014年に韓国デビューしたRed Velvetはハッピーでキッチュな「Red」、少しダークで神秘的な「Velvet」という相反するイメージが特徴であり、韓国内では外向的なRedコンセプトの楽曲は一般人気が高く、内面的なVelvetコンセプトの曲はファンドムと音楽評論家筋からの支持が高いようだ。大衆的で華やかなイメージの強い少女時代と、サブカルチャー的で少し難解なコンセプトの楽曲が多いf(x)の中間であり、双方の“いいとこ取り”と言えるかもしれない。当初から若い女性ファンの支持が高かったが、Velvetイメージの存在感が大きくなってからはさらに幅広く女性に支持されるようになった。日本でのデビュー曲「#Cookie Jar」は、Redイメージの持つ毒を秘めつつも“KAWAII”の部分を最大出力まで高めたようなガーリーさが印象的だ。2019年には日本国内でのアリーナツアーも決定しており、TWICEやBLACKPINKとはまた違う層でファンドムを構築しているようだ。


 2016年にサバイバル番組からデビューしたMOMOLANDは2018年1月にリリースした「BBoom BBoom」がチャート逆走ロングランヒットし、一躍HOTなガールズグループの仲間入りをした。同曲のYouTubeでのMV再生回数は2.6億回を超えている。その勢いのままに今年「BBoom BBoom -Japanese ver.-」で日本デビューし、初週1.9万枚を売り上げた。グループ全体でのエネルギッシュなワチャワチャ感と「韓国人にとってのラーメンスープのよう」とも表現される“K-POPらしい”おなじみのメロディと中毒性を併せ持つ楽曲が特徴だ。ちなみにオリジナル版では韓国をはじめ各国のステレオタイプ的イメージを取り入れていた「BAAM」の日本語版MVは制服、渋谷の交差点、たこ焼き、旅館・貞子等、韓国から見た“ザ・日本”的なイメージを詰め込んで撮り直している。


 体操服姿のデビュー曲「Glass Bead(ガラス玉)」から初期少女時代をイメージさせると話題になったGFRIENDは、続く「今日から私たちは(Me Gustas Tu))」「トキヲコエテ(Rough)」が爆発的な音源ヒットを記録した。その後イメージの紆余曲折はあったものの、伸びのある溌剌とした歌声、郷愁のあるメロディ、男性グループばりの激しいダンス等、“清純”なだけではなくひたむきで快活という新しいイメージを確立したグループと言えるだろう。イメージソースには『けいおん!』のような韓国でも人気の日本の女子高生的ガールフッドがあるのではと韓国内では言われていた中、今年満を持して日本デビューした。日本デビューアルバムに収録の「今日から私たちは」日本語バージョンMVでは、原曲でのイメージをそのまま翻訳したかのような日本の女子高生に扮したメンバーの姿を見ることが出来る。9月にリリースされた1stシングル曲「Memoria」は日本のヒットメーカーであるCarlos.K作曲でMVのメイクや衣装は日本ナイズされているにも関わらず、韓国でのイメージそのものを変えすぎず調和しながらも、新しい面も見せているように思える。新世代ガールズグループの中でも最も“J-POP的なもの”と親和性が高く、ナチュラルに消化できるグループではないだろうか。


 上記の3グループとは異なるベクトルで韓国で支持を集めているのがMAMAMOOだ。韓国内ではパフォーマンスカバー番組で名前が知られるようになったことから歌唱力の高い大人の女性ボーカルグループというイメージが強く、“ガールズグループ”ではあるが他グループとは一線を画す個性を確立している。パフォーマンスは力強いが“強い女性”というよりは大根の形のグループペンライト(グループ名のMOOが大根を意味するため)など飄々としてユーモアのある印象で、メンバー間のship(関係性)なども含め、男性グループのファン層に近い女性ファンからの強い支持を集めている点が特徴だろう。10月にヒット曲「Decalcomanie -Japanese ver.-」でデビューし、2019年には日本ツアーも告知されている。


 「Up&Down」がチャート逆走からの1位でインパクトを残し人気グループとなったEXID、KARAの所属事務所の後輩グループ・April、HR/HM的なテイストを取り入れた疾走感のある楽曲の個性が近年のガールズグループでは突出しているDREAMCATCHERなど、他にも多数の若手ガールズグループが2018年内に日本デビューをした(DREAMCATCHERは11月デビュー予定)。B1A4と同じ事務所でじわじわとファン層を広げ、韓国音楽番組で今年念願の1位を獲得したOH MY GIRLは、派生ユニットであるOH MY GIRL BANANAが先に今年日本デビューしており、2019年に本体グループの日本デビューがアナウンスされている。正式には日本デビューは決まっていないものの、『PRODUCE 101』のI.O.I出身女性ソロ歌手・チョンハや、同じくI.O.I出身の人気メンバーが所属するVIXXの後輩グループ・gugudanなど、日本国内での活動を始めているグループまで含めると、2018年は非常に多くの韓国のガールズアイドルが日本に進出した年だった。


 韓国内ではデビュー曲から音源成績が新人の中では突出しており、音楽番組ですでに1位を獲得しているCUBEエンターテインメントのG(I)-DLE、1年半をかけたデビュー計画から今年12人の“完全体”でデビューし、すでに国内外含めてデビューアルバムの売上が5万枚を超え、巨大なファンドムを構築しているLOOΠA(今月の少女)など、今年デビュー組からも要注目グループが誕生している。2010年前後と比較すると韓国内のアイドルグループの数自体が2倍近く増えていることもあり、もうしばらくは日本進出ラッシュは続くかもしれない。(DJ泡沫)