2018 SUPER FORMULA
JMS P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第7戦 鈴鹿サーキット
◆10月28日(日) 決勝
#1 石浦宏明 11位
#2 国本雄資 4位
<決勝>
天候:晴れ|コース状況:ドライ
全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦の決勝レースは、JMS P.MU/CERUMO・INGINGの国本雄資が、ピット戦略もはまり予選9位から表彰台獲得目前の4位でゴール。石浦は11位でフィニッシュし、シリーズランキング2位で2018年シーズンを終えることとなった。
雨雲に覆われた曇り空で始まった予選日から一転、決勝日は気持ちの良い晴天となった。午前8時45分から始まったフリー走行はドライコンディションで、石浦はソフトタイヤでのロングランを中心に走行。国本はミディアムタイヤでのロングランとメニューを変えて30分間のセッションをこなした。
日差しはさらに強まり、決勝レースが始まる頃には気温25℃、路面温度は30℃まで上昇。汗ばむほどの陽気のなかで決勝レースがスタートした。11番グリッドの石浦は、スタートダッシュでのポジションアップを狙ってソフトタイヤを選択。
一方の国本は作戦を変えてミディアムタイヤでのスタートを選択した。石浦はまずまずのスタートを切って、オープニングラップで1ポジションアップ。しかしここからは前後に他のマシンがいることで思うようなペースで走れず、膠着状態が続く。クリーンなスペースで追い上げたい石浦は、9周を終えてピットに戻り、ミディアムタイヤに交換。
狙い通り、周囲に他のマシンがいないスペースでコース復帰に成功すると、ふたたび追い上げを開始した。ピット作業を済ませたなかでは先頭で周回を重ねる石浦。12周目にはレース中の自己ベストタイムとなる1分43秒832をマークするが、それ以降はペースに苦しむ展開に。早めのピットインでタイムを稼ぐアンダーカットの作戦を狙っていたが、上位陣がピット作業を終えたところでも逆転はかなわず、全車が作業を終えた34周目には予選順位と同じ11位に戻った。
終盤は背後から福住仁嶺選手に迫られたが、なんとかしのぎ切ってチェッカーを受け、11位でフィニッシュした。タイトル争いでは、ランキング3位だった山本尚貴選手がポール・トゥ・ウインを飾ったことで逆転チャンピオンに。石浦は3位となった。
ミディアムタイヤでのスタートとなった国本は、ソフトタイヤを選んだ後続のマシンに先行され、14番手からレースを始めることに。ガソリンの搭載量が多い序盤はなかなかペースが上がらなかったが、周回数が進み燃料が軽くなってくるにつれてペースアップ。ピットインのタイミングを後半まで引っ張り、32周を終えてピットイン。ソフトタイヤに交換したあとは、暫定7番手でコースに戻った。
34周目に1分42秒297の自己ベストタイムを記録すると、35周目にはシケインの混戦をすり抜け6番手に浮上。続く36周目に入った1コーナーでさらに1台をかわして5番手となる。ペース良く周回を重ねた国本は、42周目のシケインでもう1台をかわして4番手に。残り1周で表彰台圏内の3番手を0.3秒まで追い詰めた。
残念ながら僅差で逆転はかなわなかったが、数々のバトルをみせ、予選順位から大きくポジションアップした4位で今シーズンの最終戦を締めくくった。国本の4位入賞でチームタイトル争いでは5ポイントを加算。チームランキングは2位となった。
残念ながら、3年連続のチームタイトル、そして4年連続のドライバーズタイトル獲得は果たせなかったが、チャンピオンチームとして得た経験と実績を生かし、新型マシンで戦う2019シーズンに向け、ふたたびタイトルを奪回できるチーム作りに邁進していく。
ドライバー/#1 石浦宏明
「普段、僕たちは朝のフリー走行でマシンの状態を確認しながら、レースペースが速いことを前提に作戦を考えるのですが、今朝は極端にペースが悪く、4位でゴールできた開幕戦のセットアップに変更してレースに臨みました。スタートはうまく決まりましたが、その後は基本的には、ブレーキに違和感があり、前を追うというよりも後ろに追われるというペースでしか走れず、レースをしたという感じがあまりなかったです」
「昨日からエンジニアと一緒にデータを見ていたので、そこでもっと僕が正しくインフォメーションをしておけば気づけた問題もあったかなと思うので、今回は実力不足。流れを持ってくることができませんでした」
「初めてチャンピオンを取った翌年も、最終戦まで争った結果、連覇ができませんでしたが、それがパワーになってその翌年に2度目のタイトルを獲ることができました。今回も連覇できなかったのは悔しいですが、この悔しさをパワーにして、また頑張っていきたいと思います。応援ありがとうございました」
ドライバー/#2 国本雄資
「今朝はトラブルも抱えていてクルマのバランスも悪く、決勝に向けては不安もありましたが、そこからウォームアップまでにチームがクルマを仕上げてくれていい方向に進んだし、グリッドでも少しアジャストしましたが、それもうまくはまりました」
「スタートは今年一番と言っていいぐらい悪かったのですが、ガソリンが軽くなってからはペースも上げられたし、ミディアムタイヤで引っ張るという作戦も良かったです。あと1周あれば3位に上がれるチャンスはあったと思うので残念ですが、9番スタートから4位まで挽回できていいレースでしたし、最後まで楽しんで走ることができました。応援ありがとうございました」
監督/立川祐路
「国本は、スタートで失敗してしまいましたが、よく挽回してくれました。たくさんのマシンを抜いてきての順位なので、いいレースだったと思います。一方、石浦に関してはクルマに問題があったのか、朝からペースが良くなく、それがすべてでした」
「チャンピオンシップを考えると非常に残念な結果ではありますが、まずは山本選手とKONDO RACINGを祝福したいと思います。ただ、僕たちも勝つためにレースをしています。来年は、今度はチャレンジャーとしてきっちりと戦っていきたいと思います。今シーズンもたくさんの応援をありがとうございました」
総監督/浜島裕英
「国本は、最後のセットアップが効いたようです。朝は良くなかったのですが、最後のウォームアップでようやく戻ってきた、とコメントしていました。ピット作業も良かったですし、ミディアムタイヤで引っ張っていた時も速いタイムが出ていて、ドライバーは本当に頑張ってくれました」
「石浦はクルマに問題があったようなので、これから分析して二度と同じ状況にならないようにしていきます。残念ながらドライバーズタイトル、チームタイトルを逃すことになりましたが、来年に向けて、もう一度ゼロからスタートしたいと思います。応援ありがとうございました」