10月28日現地時間午後1時10分、F1第19戦メキシコGP決勝が行なわれレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝を飾った。
午後には雨の予報もあったものの朝から晴天が続き、気温は18度ながら路面温度は32度まで上がった。
ピエール・ガスリー(トロロッソ・ホンダ)はパワーユニット交換とギヤボックス交換で最後尾グリッド、前戦アメリカGPでの追突で3グリッド降格ペナルティを科されたロマン・グロージャン(ハース)は19番グリッドからのスタートとなった。
ハイパーソフトタイヤとウルトラソフトタイヤに激しいグレイニングとデグラデーションが生じるためタイヤ戦略に注目が集まったが、予選Q3進出組のうち3強チームはウルトラソフト、ルノー勢とザウバー勢はハイパーソフト。
11番グリッド以下ではフォース・インディア勢、ハース勢、ブレンドン・ハートレー(トロロッソ・ホンダ)がスーパーソフトタイヤ、最後尾のガスリーがハイパーソフト、それ以外はウルトラソフトというタイヤ選択となった。
スタートで3番グリッドのルイス・ハミルトン(メルセデス)が好加速を見せ、グリッド1列目のレッドブル勢の真ん中に飛び込んでダニエル・リカルド(レッドブル)の前に出る。フェルスタッペンはそのままイン側をキープして首位を奪い、ハミルトンは2番手、リカルドは3番手でターン1へ飛び込んでいく。その後ろではセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)とバルテリ・ボッタス(メルセデス)が競り合いを続け、ターン5でボッタスがアウト側に押し出されベッテルが前に出る。
後続ではターン3で多重接触が起こり、ハートレーに押されたエステバン・オコン(フォース・インディア)がシャルル・ルクレール(ザウバー)に追突してフロントウイングを損傷してピットイン。
フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)もこれを避けるためコースオフ。その後、アロンソは4周目に白煙を上げマシンを停めることになった。ハートレーも1周目にピットインを強いられウルトラソフトに交換する。
4周目にアロンソがターン12手前にマシンを停めたためバーチャルセーフティカー(VSC)が出るがすぐに解除され、レースは5周目の最終セクターから再開。ガスリーはこの周にピットインしハイパーソフトを捨ててスーパーソフトに履き替える。
11周目にはハミルトンとボッタスが同時ピットインをすると、12周目にはリカルド、13周目にはフェルスタッペンがピットインしてスーパーソフトに交換。
フェラーリ勢だけがウルトラソフトのまま引っ張るが、17周目にようやく2台ともにピットイン。ライコネンはその周にハミルトンに抜かれ、ピットストップ1回分のギャップを付けられてしまったことになる。
これで首位はフェルスタッペン、2番手ハミルトンは8秒後方、3番手リカルドはそこから2.5秒、4番手ベッテルはさらに2.5秒、5番手ボッタスはさらに4.5秒遅れ、6番手ライコネンは14秒のギャップをつけられている。
中団勢はセルジオ・ペレス(フォース・インディア)がスーパーソフトのままステイアウトして7番手に浮上し、ピットストップを終えたカルロス・サインツJr.(ルノー)が8番手、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)が9番手、ケビン・マグヌッセン(ハース)が10番手に。
11番手ルクレール、12番手グロージャン、13番手ハートレー、14番手オコン、15番手ガスリー、16番手ストフェル・バンドーン(マクラーレン)はトレイン状態になる。ハートレーは24周目、ガスリーは26周目に2回目のピットストップを行ないともに新品のスーパーソフトに履き替える。
29周目にサインツがターン14でストップしてVSCが導入され、フォース・インディア勢はここでピットストップを済ませ、中古のウルトラソフトに換えたペレスは、ルクレールの後方9番手でコースに復帰。すぐにオーバーテイクを果たして8番手に浮上する。しかし39周目にスローダウンしてピットに戻りリタイアとなってしまった。
ハミルトンはフロントタイヤのグリップ低下を訴えるが、ピットインはせず。3番手リカルドには4番手ベッテルが猛攻を仕掛け、34周目のターン1~2でオーバーテイクに成功する。
ベッテルは39周目にはハミルトンも追い詰めてストレートからターン1への飛び込みで易々とオーバーテイク。ただしベッテルもタイヤにバイブレーションを抱えながらの走行。ハミルトンはスーパーソフトのフィーリングが悪く、ペースが振るわずリカルドが背後に迫り、47周目のターン1でタイヤをロックさせてオーバーシュートしリカルドが前へ。
ベッテルとハミルトンは47周目にピットに飛び込み、それぞれウルトラソフトに交換。これを見てフェルスタッペンもピットインしてスーパーソフトに交換し首位のままでコースに戻る。
これで首位フェルスタッペン、2番手は6秒後方にリカルド、3番手ベッテルは8.5秒、4番手ライコネンは18秒、首位から32秒遅れて5番手にハミルトンとなった。
中団は7番手ヒュルケンベルグ、8番手ルクレール、9番手バンドーン、10番手マーカス・エリクソン(ザウバー)となり、ハートレーはその後方でなかなか抜くことができない。
ガスリーはオコンに仕掛けターン4入口と出口で押し出されるが、その翌周にオーバーテイクに成功する。ハートレーにはオコンとの接触で5秒加算ペナルティが科され、55周目にペースの速いガスリーを前に出す。
3番手ベッテルが2番手リカルドの後方に迫るが、61周目にリカルドのリヤから白煙が上がり始め、62周目のターン1でストップ。リカルドはまたしてもリタイアを余儀なくされてしまった。これでVSCとなり、タイヤに苦しんでいたボッタスはピットインしてハイパーソフトに交換する。
レースが再開されるとフェルスタッペンはエンジン出力を落とせというチームからの指示にも関わらず自己ベストを更新し続ける走りで後続を寄せ付けず、そのまま71周を走り切り、オーストリアGPに続き2018年シーズン2勝目を飾った。
2位は17秒離れてベッテル、3位は1ストップ作戦で49秒遅れのライコネン。ハミルトンは4位のままフィニッシュし自身5度目のタイトル獲得を決めた。
ボッタスは5位、中団トップは1ストップで走り切ったドライバーが上位を占め6位ヒュルケンベルグ、7位ルクレール、8位バンドーン、9位エリクソン。ガスリーは2ストップ作戦で追いかけて10位でフィニッシュしてみせた。