WTCR世界ツーリングカーカップの日本ラウンドは10月28日、鈴鹿サーキットで11時05分から決勝レース2が、12時30分から決勝レース3が行われ、レース2はロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が、レース3はガブリエレ・タルキーニ(ヒュンダイi30N TCR)が優勝を飾った。
初日のレース1に続き、11時05分から快晴の下でスタートしたWTCRの決勝レース2。予選2でのリバースグリッドで争われるレースだ。ポールポジションはペペ・オリオラ(クプラTCR)、2番手にはロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)がつけていた。
スタートでは、ハフが1コーナーでオリオラのインを突きトップに浮上。ドゥニ・デュポン(アウディRS3 LMS)が続くが、中団の争いのなかでエステバン・グエリエリ(ホンダ・シビック・タイプR・TCR)が接触があったかコースオフ。スポンジバリアにクラッシュを喫し、セーフティカーが導入された。
レースは3周目にリスタートが切られ、トップ争いはハフとオリオラの戦いとなるが、ポジションを上げてきたのはノルベルト・ミケリス(ヒュンダイi30N TCR)。3周目にデュポンをかわし、トップをうかがいにいく。一方で中団では、前日のレース1よりも激しいWTCRらしい戦いが展開された。
終盤になるとタイヤが厳しくなりはじめたか、8周目の130Rでオリオラがわずかにコースアウトを喫し、2番手争いはオリオラとミケリスの争いに。また、4番手争いはデュポンをかわしたオーレリアン・パニス(アウディRS3 LMS)とガブリエル・タルキーニ(ヒュンダイi30N TCR)、レース1ウイナーのケビン・チェコン(アルファロメオ・ジュリエッタTCR)の争いとなった。
しかし最後まで上位陣のポジションは変わらず、ハフが優勝で今季2勝目。オリオラが最後までミケリスを抑えきり2位フィニッシュ。3位はミケリス、4位はパニス、5位タルキーニという結果に。チェコンは6位でフィニッシュした。なお、これでタルキーニがふたたびランキングをリード。イバン・ミューラー(ヒュンダイi30N TCR)は11位でポイントを獲得できずとなった。
■レース3は激しい戦いに
リペアタイムを経て12時30分に迎えたレース3は、いよいよWTCRらしい接触含みのバトルが展開する。スタートでは、ポールポジションスタートのチェコンのインを突き、2番手スタートのタルキーニが抜群のスタートでトップに浮上する。スタート直後こそ順位を落としたものの、1周目に2番手に順位を戻したチェコン、3番手にはヤン・エルラシェール(ホンダ・シビック・タイプR・TCR)、オーレリアン・パニス(アウディRS3 LMS)と続く。
そんななか、2番手につけたチェコンには、スタート時のグリッド停止位置に違反があったとして5秒のタイムペナルティが課されてしまう。これで少なくともタルキーニの前に出て、リードを広げなければチェコンに2勝目のチャンスはなくなってくる。チェコンはタルキーニをかわしにかかり、一方でチェコンのペナルティに気付いたタルキーニは、無理せずチェコンを先行させた。
これでチェコン、タルキーニという見せかけの順位となるが、その背後につけていたエルラシェールは、右フロントにトラブルを抱えてしまいスローダウン。ホンダ・シビック・タイプR勢の最上位だっただけに、悔しい結果となってしまう。これで3番手にはコンテがつけることになった。
一方、中盤以降レースを盛り上げたのはグエリエリを先頭とした6番手争い。ペペ・オリオラ、イバン・ミューラー(ヒュンダイi30N TCR)、ハフ、ミケリスら6台以上がテール・トゥ・ノーズに続く展開となったが、最後はオリオラが先行するも、日立オートモティブシステムズシケインで直進してしまうなど、激しい展開となった。
そんななか、最後までチェコンにリードさせることなく、優勝を飾ったのはタルキーニ。これでチャンピオンシップのリードを広げて最終戦マカオに挑むことになった。2位はコンテという結果に。3位は5秒ペナルティのチェコンが入ったが、自らのミスが招いた2位に悔しい表情を浮かべた。
ホンダ・シビック・タイプR・TCR勢は、レース2でのグエリエリのクラッシュ、レース3でのエルラシェールのトラブル等もあり、レース1でグエリエリが記録した4位が週末の最上位に。性能調整があったとはいえ、悔しい週末となってしまった。