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トロロッソ・ホンダF1密着:ハートレーが予選Q2アタックでミスした遠因と決勝への期待

2018年10月28日 13:11  AUTOSPORT web

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2018年F1第19戦メキシコGP ブレンドン・ハートレー
トロロッソ・ホンダにとってのメキシコGP予選は、ドライバーが置かれていた状況によって戦い方が別れた。

 まず、金曜日に未使用の新しいパワーユニットを搭載して走行を行ったピエール・ガスリーは、日曜日のレースは最後尾からのスタートが決定している。


「ピエールをQ2でタイム計測させないことは決まっていたことので、Q1では新しいハイパーソフトタイヤを3セット使って、3回アタックさせた」(ジョナサン・エドルズ/チーフレースエンジニア)というガスリーは、Q1を13番手で通過。

 Q2では計測ラップを行わず、ハイパーソフトのユーズドタイヤでピットアウトとピットインを繰り返して、予選は15番手で終えた。

 Q2で、もしハイパーソフトの新品を履いて真剣にアタックしてトップ10に入ると、そのハイパーソフトを装着して、最後尾からスタートしなければならなくなるからだ。

 次にブレンドン・ハートレーだ。グリッドペナルティがないハートレーは、予選順位がそのままスタートポジションとなるため、予選はひとつでも上の順位を獲得したい。Q1を10番手で通過したハートレーだったが、Q2では自己ベストを更新できず、14番手に終わった。

 直接的な原因は「ターン12でブレーキをロックさせてしまい、コースをはみ出してしまった」(ハートレー)からだったが、その遠因は「新品のハイパーソフトが1セットしか残っていなくて、Q2では1回しかアタックできず、路面の改善状況がつかみにくい中でアタックしなければならなかった」(ハートレー)からだった。

 なぜ、ハートレーはQ2で新品のハイパーソフトが1セットだけになってしまったのか。それは初日のフリー走行1回目から予選前までのセッションを、すべてハイパーソフトだけ使用していたからだ。

 その理由をハートレーは「レースではハイパーソフト以外のタイヤがメインになるから」と説明した。

■決勝はスーパーソフトとウルトラソフトの使い方がカギに



 それは裏を返せば、たとえQ3に進出できなくとも、レースでメインとなるだろうハイパーソフト以外のタイヤを選択してスタートできるため、予選14番手という結果は決して悲観することではないということになる。

 ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターも、今回のレースはタイヤの使い方が重要だという認識を示している。

「金曜日は路面温度が高くて(最高46℃)、みんなタイヤの使い方に苦労して、土曜日はそれから30℃ぐらい低い状況からスタートしました」

「そして、日曜日は金曜日ほどではないけれど、再び熱くなることが予想されています。果たして、トップ10からスタートする人たちが、Q2で選択したウルトラソフトとハイパーソフトがどこまで持つのか。それに対して、レースで安定していると思われているスーパーソフトが実際、日曜日にどんなパフォーマンスを発揮するのか」

「またレース中はどんどん路面が変化していくので、それがどのタイヤに有利に働くのか。答えは終わってみないとわからないですね」

 トロロッソ・ホンダのドライバーが、日曜日に使用できるタイヤはふたりとも土曜で、スーパーソフト新品2セット+ウルトラソフト新品1セット+ハイパーソフト中古3セットだ。