僕は会社員ではないんだけど、会社勤めをしている人と飲みに出かけることがしばしばある。サラリーマンの日常って僕からしたら結構面白かったりするものだ。
さて、そういった連中いわく、たまに、明らかに自分に対して敵意をむき出しにしたり、完全に馬鹿にした態度で接してくる上司というのがいるらしい。そういう人間が直属の上司になったら、もう彼らとしてはお先真っ暗といった状態になるようで、一気に"老け込む"のだそうだ。(文:松本ミゾレ)
「今までよく誰にも殺されなかったな、と感心してしまうくらい短気で自己中」
先日、5ちゃんねるで「こんな上司は嫌だ」というスレッドを発見した。タイトル通り、最悪な上司についての書き込みがなされているんだけど、これをざっと最後まで読んでみると、ひどい上司には2通りの系統があることに気付かされる。
粗暴で短絡的な上司と、小言が多く陰湿な上司だ。せっかくなので今回は、前者をパワータイプ。後者を精神攻撃タイプと区分し、それぞれの上司についてなされた書き込みを紹介していきたい。
「怒鳴る事で、ある意味力でねじ伏せる事が出来るって思ってる奴」
「極真(空手)って抵抗しないシロウトに手を出してもいいの? 上にコビコビで立ち回るのは上手いけど部下を指導するのが下手すぎ」
「今までよく誰にも殺されなかったな、と感心してしまうくらい短気で自己中で平気で暴言吐く班長。そんな班長にペコペコしてゴマすってるデブ。何人廃人にしたら気が済むの」
さすがにご時世なのか、連日上司に暴力を振るわれてるといったような書き込みはそう多くなかったが、それでも暴言やパワハラ丸出しの言動に苦しんでいる人々の声はかなり多かった。
これも第三者である僕からすれば「転職しようよ」という気持ちになってしまうものだけど、日本って本当に転職に対して慎重な風潮があるから、耐えてしまうんだろうなぁ。
「今日は会社帰りに用事があると上司にばれると、必ずといっていいほど急な残業」
さて、今度は精神攻撃をしてくる上司について挙がった意見を紹介していこうと思う。このスレッドを立てた人物は、精神攻撃タイプのクソ上司に苦しめられているようだ。本文で「過去の失敗を重箱つつくようにネチネチと話す」と書き込んでいるのだ。なるほど、こういうのが上にいたんじゃたまらない。
が、これもこの手の上司の中では序の口のようだ。以下に引用して紹介したい。
「ネチネチ攻めてきて『詰めてるわけじゃない』とか自分への言い訳をしてるバカ上司」
「うつの診断出した部下に『君はだいたい心が弱い、男なんだからさー』と延々説教。翌日から部下は出社することはなかった」
「上司に毎日のように怒鳴られて昼飯も食えなくなって、とうとう異動が決まった。そしたら今度は上司から『潰れるお前が弱い、お前のせいで俺の評価が下がった、俺に怒られるお前が全面的に悪い』と嫌味を言われるようになった。怒鳴られるよりはマシだけどもうヤダよ」
「今日は会社帰りに用事があると上司にばれると、必ずといっていいほど急な残業をぶっこんでくる。 試しに、自分のデスク上のカレンダーに、何も予定が無い日に『19:00東京駅』とか書いておいたら、その日だけ必ず無理やり残業にしてくることが判明。納期でもないのに」
このように、こちらのタイプは前者とも一風異なるが、やはりキツい上司が多かった。怒鳴るようなタイプではないので、威圧感はそうでもないんだけど、それでも日々ネチネチと攻撃されれば、さすがにやられる側はたまらないというものだろう。
ところで、常々思ってきたことなんだけど、きっと世の中のひどい上司って、最初からひどいとも限らないんじゃないだろうか。徐々に普通の上司を悪質上司にランクダウンさせてしまうような、瘴気めいたものが職場に渦巻いてるんじゃないだろうか。
もちろん僕はサラリーマンではないのでただの想像なんだけど。でも……そうでも思わないと到底存在が信じられないぐらいのひどい上司についての書き込みが、あまりに多かったもので考えさせられてしまった。