カタールのロサイルインターナショナルサーキットで行われる予定だったスーパーバイク世界選手権(SBK)第13戦カタールラウンド決勝レース2は、コース上の安全性の理由によりキャンセルとなった。
最終戦の最終日朝は雨と砂嵐に見舞われ、決勝に向けたウオームアップセッションのスケジュールが変更され、それに伴い、決勝レースのスケジュールもディレイ。スーパースポーツ世界選手権(WSS)決勝レース後にセーフティコミッションが行われ、コース上に残る水の量が増えていることから、状況の悪化を理由に決勝レース2の中止が決定された。
カタールは砂漠地帯に位置し、雨が少ないことで知られているが、SBK第13戦開催の前週、地域によっては1日で年間降水量に匹敵するほどの雨が降っていた。
MotoGPでは2009年の決勝日に雨に見舞われてMotoGPクラスの決勝が順延され、また、開幕前のテストでも雨が降ったことがあり、2018年のMotoGPカタールオフィシャルテストでは、散水車による人工的なウエット状態を作り、ウエット路面での夜間走行のテストも行われていた。
SBK最終戦決勝レース2はキャンセルとなり、2018年シーズンのSBKは幕を下ろした。
一方、SBK決勝レース2の前に行われたWSSは、タイムスケジュールと周回数を変更して決勝が行われた。WSSが行われた理由には、SBKとは履くタイヤが違うという側面もある。
タイトル争いがこの最終戦まで持ち越されていたWSSは、ルーカス・マヒアス(ヤマハ)が優勝。WSSの決勝は雨の影響で当初の予定から1時間15分遅れでスタートし、周回数も15周から12周に減算され、気温28度、路面温度27度のドライコンディションで争われたが、ホームストレートや1コーナー手前、15コーナーに水たまりがある状態の中でのレースとなった。
レースはポイントリーダーのサンドロ・コルテセ(ヤマハ)と、5ポイント差で追うジュール・クルゼール(ヤマハ)が激しいバトルを展開。マヒアスは終盤まで3番手につけていたが、10周目にトップに浮上すると、そのままトップでチェッカーを受け、今シーズン3勝目を記録した。
タイトルを争うコルテセとクルゼールは最終ラップまで2番手争いの接戦を展開したが、最終ラップの7コーナーでクルゼールが転倒。コルテセが2位に入賞し、タイトルを獲得した。3位にフェデリコ・カリカスロ(ヤマハ)が入賞。大久保光(カワサキ)はスタート直後の2コーナーで転倒し、リタイアに終わった。
コルテセはWSS参戦1年目でチャンピオンを獲得。2012年Moto3クラスのタイトルに続いて、2度目の世界チャンピオン獲得となった。クルゼールは再スタートしたものの、15コーナーで2度目の転倒を喫してリタイア。マヒアスがクルゼールを交わしてランキング2位に浮上、クルゼールはランキング3位となった。
日本人ライダーとして唯一WSSにフル参戦する大久保は、ランキング13位でカワサキ移籍1年目のシーズンを終えている。