スペインで開催されているWRC世界ラリー選手権第12戦。10月27日は、SS8~SS14までの7SSが行われ、ヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)が総合トップに立った。
グラベル(未舗装路)とターマック(舗装)のミックスイベントで行われるラリー・スペイン。27日に設定された7SSはすべてターマックステージだ。
前日から降り続く雨の影響で、この日最初のSS8はキャンセルとなって競技3日目の幕を開ける。
2番手のダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)に26.8秒と大差をつける総合トップのオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)は、SS9でもステージトップを奪いソルドとの差を広げていく。
しかし、逆転王者を狙うタナクにアクシデントが発生する。
「パンクだよ。よくはわからないけどね。バンプがあったけど、何か特別なものはなかった。たぶんね……」と左フロントタイヤをパンクさせたタナク。タイヤ交換で1分43秒をロスし、トップから1分2秒紗の総合9番手に落ちてしまう。
一方、前日に左リヤタイヤをバーストさせ出遅れたラトバラが奮起。SS9を2番手、SS10ではステージトップを奪いソルドに0.3秒差と迫ると、続くSS11で総合トップに浮上する。
SS12は、シトロエンからスポット参戦する元王者のセバスチャン・ロウブ(シトロエンC3 WRC)がステージトップを奪い、トップから7.5秒差の総合3番手と肉薄する。
前日はなかなかペースを上げられなかったシリーズチャンピオンを争うふたり、ティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)とセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)もこの日は速さを見せた。
ヌービルはSS11、SS13でステージトップを奪い、オジエも安定した速さを見せSS13を終えると7.2秒差の総合2番手に上がってくる。
競技3日目の最終ステージとなるSS14。ステージトップはタナクが獲得し意地を見せる。オジエは、ここでも0.9秒差の3番手とペースを落とさず、逆にラトバラは14番手と失速。オジエに4.7秒差と詰め寄られるも総合トップで最終日に挑む。
総合25番手で2日目を終えたケン・ブロック(フォード・フィエスタWRC)だったがクラッシュが影響しこの日は走ることなくリタイアを選択。
下位クラスのWRC2はエリック・カミリ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)をSS9で逆転したハリ・ロバンペラ(シュコダ・ファビアR5)がクラストップをキープ。SS14ではステージトップのタナクに0.1秒差の速さを見せ、クラス2番手に22秒差をつけている。
カミリはSS11でギヤシフトのトラブルでリタイア。ペター・ソルベルグ(フォルクスワーゲン・ポロGTI R5)がクラス4番手、勝田貴元(フォード・フィエスタR5)はクラス11番手となった。
最終日は、SS15~SS18の4SS。いずれもターマックステージだ。ラトバラがこのままトップをキープして、トヨタが今季5勝目を飾るのか? それともオジエ、ローブといったチャンピオンドライバーたちが逆襲するのか? ヌービルとオジエのチャンピオン争いにも注目だ。