地元マカオ出身で2000年のマカオGP勝者でもあるアンドレ・クートが、2018年のWTCR世界ツーリングカー・カップ最終戦マカオにワイルドカード枠のひとりとして参戦する。最新モデルであるFK8型ホンダ・シビック・タイプR TCRをドライブする。
WTCRプロモーターのユーロスポーツイベントによる招待という形で、各国のTCR国内選手権タイトル獲得チームにワイルドカード枠が確保されるマカオラウンドに向け、クートはTCRチャイナのチャンピオンチーム、マックプロ・レーシングからエントリーを果たす。
ゲストドライバーとしてTCRチャイナにエントリーしたときのチームメンバーとふたたび合流して母国ラウンドに挑戦することが決まり、ETCCヨーロッパ・ツーリングカー選手権、そしてWTCC世界ツーリングカー選手権以来の世界的市街地レース参戦となる。
ユーロスポーツイベントの代表を務めるフランソワ・リベイロは「(WTCCのTC1時代とは)大きく状況が変化した」と、クートを含む6名のワイルドカード枠成立を歓迎するコメントを残した。
「WTCCがS2000規定で争われた時代には、マカオでも数多くのゲストドライバー参戦を実現していたが、TC1時代に入ると同じように受け入れ態勢を整えていたにもかかわらず、コスト的な問題からゲストをグリッドに迎え入れることが簡単でなくなっていたのは事実だ」と振り返ったリベイロ。
「しかしアジア圏で稼働しているTCR車両の総数を考えると、そのTCR規定を採用したWTCRのシナリオでは、TC1時代と比較して大きく状況が変化した。地元のドライバーたちを中心に20件以上の問い合わせを受けたが、そのすべてに応えられないほどの状況となったんだ」
「著名な市街地ギアレースとしてだけでなく、このWTCRレース・オブ・マカオはFIA格式のカップタイトルが掛けられた1戦になる。FIA、マカオの自動車連盟、そしてTCRチャイナとも緊密に連携し、ワイルドカード枠のドライバーも予選(ベストタイムから)105%以内を目指してハイレベルな競争に参加してくれるものと願っている」と続けたリベイロ。
「31台のマシンがギアレースで勝負を繰り広げる映像を、世界中のファンにお届けできるのが今から楽しみだよ」
また、WTCRにロメオ・フェラーリ製のアルファロメオ・ジュリエッタTCRで参戦するチーム・ミュルザンヌは、中国のダブルヘッダーを終えてレギュラードライバーのファブリツィオ・ジョバナルディがチームを離脱すると発表。
ロメオ・フェラーリの運営責任者である元TCRドライバーのミケーラ・セルッティは、その別離の理由を「彼の望むマシン開発やセットアップを実現できなかったため」としている。
一方のジョバナルディも「簡単な決断ではなかったが、望む結果を得られなかったことに失望している」と、その胸の内を語った。
「残念ながらワークショップでも解決できない技術的問題により、中国の連戦は低調な結果に終わらざるを得なかった。それでも、この挑戦で自分のスタイルを貫き、スロバキアではアルファロメオにとってWTCR初のポイント獲得を果たせたことを誇りに思っている。彼らの今後の成功と健闘を祈っている」
ジョバナルディの代役には、昨季までTCRインターナショナル・シリーズにも参戦し、TCRイタリーでも活躍を続けるルイジ・フェラーラを起用。26日に開幕した鈴鹿ラウンドからケビン・チェコンとの2台体制で、引き続きシリーズを戦う。