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WRCスペイン:トヨタ最上位のタナク「明後日は差を築くのが困難。明日のグラベルが大事」

2018年10月26日 12:31  AUTOSPORT web

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WRC第12スペインのSS1でトヨタ勢最上位の総合3番手につけたオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)
10月25日に開幕したWRC世界ラリー選手権第12戦スペイン。この戦いに3台のトヨタ・ヤリスWRCを投入しているTOYOTA GAZOO Racing WRT勢は、シリーズチャンピオンを争うオット・タナクが総合3番手につける好発進を切った。

 グラベル(未舗装路)とターマック(舗装路)が混在するミックスイベントのラリー・スペイン。競技開幕前のシェイクダウンはスペイン・サロウ近郊に設けられた2kmのステージで行われた。

 このシェイクダウンステージも路面コンディションが混在するステージだったが、実際に競技が行われるSSとはキャラクターが異なることもあり、各ドライバーはマシンのセットを煮詰めるより、システムチェックなどに重点を置いて走行した。

 その後、一行はスペインの大都市であるバルセロナに移動。観光スポットとしても有名なモンジュイック地区に設けられた3.2kmのSS1に臨んだ。このステージでタナクは3分39秒5を刻んでステージ3位。トップと4.2秒差の総合3番手でSS1を終えている。

 前戦ラリーGBで優勝争いを繰り広げたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)はSS1で履いたハードタイヤ1の1本に熱が入りきらなかったといい、3分45秒でSS1を駆け抜けて総合11番手につけた。

 2018年シーズン限りでトヨタを離れるエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)はラトバラと0.1秒差の総合12番手につけている。

 チーフエンジニアを務めるトム・フォウラーは「今晩の市街地ステージはターマック路面だったが、明日からのグラベルステージに備えてクルマはグラベル仕様になっていて、ドライバーたちは確実性を重視した走りをした」と述べた。

「ミックスサーフェスであることは、日数が限られていた我々の事前のテストにおいても大きな挑戦だった。グラベルラリーでは最近満足できるパフォーマンスが得られていたから、テストではターマックに集中することにした」

「なぜなら、ここカタルニアのターマックはサーキットのような特殊な道で、我々のクルマは1年前に出場した時と比べると開発が大きく進んでいたからね」

■競技2日目は最長ステージが鍵。「特にタイヤのマネジメント力が問われる」とラトバラ



 総合3番手発進となったタナクは「今晩のSS1は特に問題なく走り終え、明日からのグラベルステージに向けて集中力を高めている」とコメントしている。

「明後日以降のターマックステージは流れるようなコーナーが続き速度域も高いため、ライバルに対して大きなタイム差を築くのが非常に難しい。だからこそ、明日のグラベルがとても大事になるんだ」とラトバラ。

「特に距離の長いステージが重要だけど、いつもと逆方向に走り、なおかつ新しいセクションもあるから、きっと面白いステージになるだろうね」

 ラトバラもタナクが言及した距離の長いステージ“ラ・ファタレラ-ヴィラルバ”が鍵となるとの見方を示している。

「かつての“テラ・アルタ”のステージの一部を逆方向に走り、途中でターマック区間を通過し、新たなグラベル・セクションもある。多くの異なる要素が含まれているため自分にとって大きな挑戦になるし、特にタイヤのマネジメント能力が問われるステージだと思うよ」

 ラッピは「これほど大きな都市をWRカーで走るのは自分にとって初めてだったけど、バルセロナの人々やファンの皆のすぐ近くで走る機会があるというのは、とても良いことだと思うね」とSS1をふり返っている。

 競技2日目となる26日(金)はSS2~7までの6SSで構成。このうちSS2/5、SS3/6はグラベルステージだが、タナクとラトバラが言及したSS4/7の“ラ・ファタレラ-ヴィラルバ”はグラベルとターマックが混在するミックスステージだ。また、SSの全長も38.85kmと今大会最長距離となっている。

 全6SS合計の走行距離は144.88km、リエゾン(移動区間)も含めた1日の総走行距離は562.40kmだ。