FIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティングは、F1アメリカGPでセバスチャン・ベッテルにグリッド降格ペナルティを与えたスチュワードの判断を支持、その理由を語った。
ベッテルは金曜FP1で赤旗が掲示された際に規定どおりの減速を行わなかったと判断され、決勝グリッドを3位降格されるペナルティを受けた。
予選で2番手を獲得したベッテルは、5番グリッドからスタートしたが、1周目にダニエル・リカルドに接触し、後方までポジションを落とした。しかしこの日のフェラーリは速く、最終的に4位まで挽回した。
ベッテルへのペナルティが発表された後、決勝でのバトルを損なうとして一部ファンから批判の声が上がった。しかしホワイティングはこれは適切な対処だったと主張した。
現在の競技規則では、赤旗が出てピットに戻るまで、ドライバーはマーシャリングセクターごとに最低1回、FIA ECUが設定する最少時間を上回って走行しなければならないと定められている。
「(以前は)赤旗が出た際に具体的にどれだけ減速すべきかが示されていなかった。セーフティカーやバーチャル・セーフティカー(VSC)出動時とは異なっていたのだ。赤旗でも同じシステムを使うことが理にかなっているというのが、チームの考えだった」とホワイティングは言う。
ペナルティの規模については、今年同様の違反を犯したダニエル・リカルドとエステバン・オコンに対するものと一致させたと、ホワイティングは述べた。
「この規則に従わなかったドライバーはこれまで3人いる。オーストラリアのダニエルについては、自分のミスだったと認めている。鈴鹿ではエステバンが、今回セブが違反を犯した」
「彼らが具体的にどのような状況で、なぜデルタタイムに従わなかったのかは分からない。彼らはセーフティカーやVSCの際には完璧に対処しているのだ」
「すべてのライトパネルが赤になるのだから、状況は明らかだ。見落とすことはあり得ない。だが彼は今回に限っては(規則に沿った)十分な行動をとらなかった。これはドライバーのミスだと考える」
ベッテルはこのペナルティは常識的ではないと不満を示し、他のドライバーからもペナルティが厳しすぎるという意見が出た。しかしホワイティングは、本来赤旗無視には5グリッド降格ペナルティを科すところを最初のリカルドに3グリッド降格としたため、その後の違反についても同様の措置をとっていると述べ、決して重いペナルティではないと説明している。
「今の規則では制限が明確になっている。従うのは簡単なことだ。赤旗が出たのに(十分に)減速しないというのは重大な出来事であり、よくないことだ」