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Le Beausset Motorsports 2018年FIA-F4第11・12戦オートポリス レースレポート

2018年10月25日 10:31  AUTOSPORT web

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川合孝汰(Le Beausset Motorsports)
オートポリスで川合孝汰は4位、6位で全戦入賞にあと一歩! 小倉祥太は、初めて走るコースでポイント獲得

FIA-F4選手権第11戦・第12戦
10月20日(土)~21日(日)
オートポリス 4.674km

 ル・ボーセモータースポーツがスーパーFJ、スーパー耐久と併せ挑む、FIA-F4選手権シリーズの第6大会が、10月20日(土)、21日(日)にオートポリス(大分県)で開催された。シリーズは残すところ2大会4戦となり、まさに大詰めを迎えた。
 
 前大会のSUGOは川合孝汰が2戦とも表彰台に上がり、ルーキーの小倉祥太もベストリザルトを更新して連続入賞を果たしていることから、引きつづきの快進撃が期待された。今回の舞台、オートポリスは高低差のあるテクニカルレイアウトで知られ、タイヤへの攻撃性の高さも特徴のひとつ。速さのみならず、タイヤのグリップをいかに持たせることができるか、またグリップの落ちていくマシンをいかにコントロールできるかも重要になる。

予選
10月20日(土)
天候/晴れ コース状況/ドライ

 多くのドライバーにとって、年に1大会だけ参戦するコースとあって、練習走行は水曜日から開始された。走り始めは特に川合が好調でトップにも僅差で迫り、そこからセッションを重ねるごとセットアップが進められ、小倉も含めて絶えず上位を狙えるポジションにつけていた。
 
 しかし、山中に位置するコースとあって温度変化が激しく、特に低めの時にタイヤへの攻撃性が著しかった。予選ではそのあたりのセット、走りのマッチングが重視された。土曜日の早朝に行われた予選は気温、路面温度とも極めて低く、最も厳しい条件となっていた。それだけにウォームアップは普段より入念に行い、アタックが開始された。
 
 川合は、5周目で1分52秒台に入れると、8周目には52秒157を記録する。その後もタイムアップを狙うが、なかなか叶わない。そのため、一度インターバルを入れ、気持ちを切り替えて再度アタックしていく。すると、計測できる残りが2周ということころで51秒963に入れ、ポジションアップ。第11戦は5番手、12戦は6番手グリッドを獲得した。
 
 一方、小倉も7周目に52秒514を記録し、その後もアタックを続けていき、10周目には52秒410でタイムを更新。さらなるタイムアップを狙おうとするも、タイヤのグリップが落ちてきたことからチェッカーを待たずにピットイン。その結果、第11戦は12番手、第12戦は13番手となった。
 
 しかし、2戦ともに3番手につけたドライバーがタイヤ2本交換のペナルティにより最後尾スタートとなったことから、ひとつグリッドが繰り上がり、川合は第11戦を4番手から、第12戦を5番手から、小倉は11番手、12番手から臨むこととなった。

決勝 第11戦
10月20日(土)
天候/晴れ コース状況/ドライ

土曜日の午後に行われた第11戦決勝は、予選とは対照的に青空が広がり、やや暑さすら感じるなかでの戦いとなった。スタートは川合がポジションキープでのレース開始になったのに対し、小倉は前に並んだ車両がストールし、それを際どく避ける状態でのダッシュとなったが、冷静な対処で、オープニングラップのうちに9番手に浮上する。

 ペースのいいトップ3台のあとを懸命に追う川合だったが、バトルになるまでには至らず。一方で中盤まで背後につけていたドライバーを、終盤には完全に振り切って単独走行に持ち込むことに成功する。 小倉は8番手を走るドライバーの真後ろに着け一進一退の攻防を続けるが、前のクルマに近づくとフロントタイヤのグリップが失われペースが上がらない。前でバトルになったタイミングで差を詰め、さらなるポジションアップを狙うも抜くには至らず、最終的に10位でフィニッシュ。川合はどうしても欲しい表彰台。残り2周、相手のミラー越しにプレッシャーを掛け続けブレーキングで差を詰め最後まで諦めない姿勢を見せるが、悔しい4位でゴールとなった。

決勝 第12戦
10月21日(日)
天候/晴れ コース状況/ドライ

 九州では年に一度の晴れ舞台はすっきり青空の下、グランドスタンドも超満員、ドライバーのテンションも大いに上がるなかでのレースとなった。当然、温度はまた高くなっていることから、しっかりセットをアジャストして川合と小倉を、スタッフはグリッドに送り出す。 注目のスタートは、まず川合がポジションキープで1コーナーに飛び込んでいき、6番手でオープニングラップを終える。それでも4番手を争う集団に食らいついて離れず、隙あらばの構えで続くも、我慢の展開が続く。

 小倉は、ホイールスピンが著しく2周目までに17番手に後退するも、その後は前を行く車両と変わらぬペースで周回を重ね、8周目には1台を、11周目にはさらにもう1台をパスして15番手に浮上。中盤からは競り合うレースで引けを取らずにクリアしていく。 一方、川合も最後まで4番手争いを繰り広げ、しきりに逆転を狙ったものの、抜きどころの少ないレイアウトではチャンスは最後まで訪れず。その結果、川合は6位でゴールし、小倉は15位でレースを終えた。残すはツインリンクもてぎでの最終戦となるが、ここはチームのホームコースだけに、悔いを残すことのないレースが期待される。

コメント
坪松唯夫 チーム監督
「レースウイークを通して気候は安定していたが、気温が低く路面温度が低下した状態でのフロントタイヤのグリップレベルを上げることが課題だった。川合は練習走行から常時6番手以内に着けていたが、特定のコーナーでもう少し速さがあればトップを走れる感触はあっただけに悔しい結果だ。小倉はタイヤに負荷がかかる走り方のせいかタイムの落ち込みが多かった。ただし、データ上では川合よりも早く走れているコーナーもあったので次に繋がるレースになったと思う」

小倉祥太
「土曜日のレースはバトルこそずっとできましたが、並ぶところまではいっても決定的なチャンスはなく、前を走ったクルマのミスで自分が上がったという感じでした。マシンバランスも、予選よりも良かったので、もっと上げていきたかったのですが、悔いの残るレースでした。日曜日のレースはオープニングラップが悔やまれます。自分では回転を調整してスタートしたつもりだったのですが、それでも大きくホイールスピンしてしまいました」
 
「その後のペースが悪くなかっただけに、本当にオープニングラップがすべてでした。次のもてぎはいちばん走っているコースであり、チームのホームコースというプライドもあるので、何が何でも表彰台に登れるよう頑張っていきます」

川合孝汰
「レースウイークを通して、マシンのセットも試行錯誤したのですが、難しい展開でした。前回のSUGOのいい流れで、このオートポリスも上を目指していたので、この結果はすごく悔しく思います。ですが、予選では、タイムが頭打ちになっていたところで一度気持ちをリセットして集中を切らさずにさらにベストを更新できたのは、今まで気持ち的に弱い部分があった自分からしたら良かったと思います」

「また、得意なコースとはいっても改善できる箇所も見つかったので、そういった反省点を持ち帰り、クルマに乗っていない時もしっかりと過ごして、次の最終戦はホームコースでもあるので、優勝して最後を締めくくりたいと思います」