度々目にする動物虐待に関するニュース。自分よりも無力な存在への暴力ほど、人間として恥ずべき、情けない行為もない。
10月初旬、大阪府枚方市の資材置き場で、41歳の男2人が野生のアライグマを捕獲して飼育したり、フォークリフトで吊るして虐待したりしたとして、それぞれ外来生物法違反や動物愛護法違反などの疑いで書類送検された。(文:松本ミゾレ)
特定外来生物を捕獲飼育してあげく虐待するという大人とは思えない行為
報道によると、男は餌付けして捕獲したアライグマに咬まれたことに逆上して虐待。しかも、アライグマを強引に塗料で赤く染色したりもしたという。まともな人間では思いつかない、極めて幼稚で残虐な行為だ。
フォークリフトで吊り上げた画像は僕も目にしたが、なんでこんな酷いことが出来るのか、本気で理解できなかった。世の中には理屈や常識や道義心では絶対にどうにも出来ない、人間のなりそこないがいる。この2人もそういった類だったのだろう。
そして、虐待の模様をわざわざLINEを通じて発信をするという、誤った自己主張と承認欲求の発散も、本当に惨めだ。しかも41歳って。
今回のこの件については、誰も書類送検された41歳の恥ずかしい大人を擁護なんてすることはないだろう。こういう卑屈で陰湿な虐待をやるような中年が、私たちと同じような人権を有していること自体がそもそも信じられない。
さらに信じられないのが野生動物を無理矢理捕獲して飼育していたことだ。アライグマは特定外来生物で、しかも成獣になると気性も荒くなるなんてことは、誰でも知っている。この男2人は41歳になっても分からなかったようだが、特定外来生物ということは環境省に許可をもらわないと飼育もできないということになる。
そんなアライグマを捕獲して飼育し、しかもまんまと咬まれた上に逆ギレしての虐待行為をSNSで発信。こんな愚かなコンボって、バカ以外にはとても無理だ。
アライグマだけに限らず、野生動物なんて外来、在来問わずみんなそこそこ凶暴で危険だったりする。その上病原菌のキャリアだったりもするので、元々関わるべき存在ではないのだ。
それにしたって、いくら凶暴だとしても、人間には到底敵わないような小さな命に、何故悪辣なことができてしまうんだろうか。本当にこういうニュースは見たくないもんだ。ちなみに、今回度重なる虐待を受けたアライグマは塗料を落とされた後に元の住処に戻されたということだ。