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GTA坂東代表、アストンマーチンの2019年DTM参戦に「クラス1として喜ばしいこと」

2018年10月23日 20:11  AUTOSPORT web

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DTMドイツツーリングカー選手権にプライベーター体制ながら、アストンマーチンが参戦することになった
スーパーGTをプロモートするGTアソシエイションの坂東正明代表は、10月24日に行われた第7戦オートポリスでのGTA定例記者会見の場で、DTMドイツツーリングカー選手権に2019年からアストンマーチン・バンテージがプライベーターから参戦することについて触れた。

 10月11日、これまでの噂を裏付けるかのように、スイスのRモータースポーツのプライベーター参戦という形ながら、アストンマーチンのDTM参戦が発表された。2018年限りでメルセデスがDTMを撤退することが発表されており、これに代わる形で2019年からもDTMは3メーカーの車種による戦いが維持されることになった。同時にこれは、DTMとスーパーGTが進めている共通技術規定『クラス1』にとっても、6種類のクラス1規定車両が保たれることになる。

 このアストンマーチン参戦の報は、DTM側で大きな喜びをもって迎えられたようで、坂東代表はこの件について「発表されたホッケンハイムの前週、(DTMを運営する)ITRの担当から夜中の12時過ぎに電話があって、20回以上鳴って、最後はショートメールになった(笑)。その状況を非常に興奮しながらITR側は語っていた」と明かした。

 坂東代表は「台数等正式なものは聞いていないが、アストンマーチンが2020年ではなく、2019年から参戦する。それに加えてBMW、アウディからはプライベーターも参加すると聞いていて、我々とのコラボレーションの道にも繋がるし、クラス1規定も大きくなる」とアストンマーチン参戦によるDTMの活性化、そしてクラス1規定への今後の期待を述べている。

「2019年からDTMは“クラス1”規定での車両でのレースになる。2リッター4気筒ターボエンジンのベンチテストも終わり、11~12月くらいには車両に搭載してBMW、アウディがテストで走るということも聞いている。そこに新しくアストンマーチンが出ることは非常に喜ばしい」

 アストンマーチン参戦についてはまだ詳細は明らかにされていないが、坂東代表は「今後台数が増えたり、ワークスが出てくることを期待するし、HWAが関わっているので、アウフレヒト(HWA代表のハンス-ベルナー・アウフレヒト。元ITR代表)が頑張っていると推測する」と語った。

 なお、アストンマーチンのエンジンについてはホンダエンジンを使用するのでは……という噂もあったが、HWAがメルセデス向けに開発していた2リッター4気筒ターボになりそう。市販車やGT3カーのバンテージのエンジンもメルセデス製で、坂東代表は「HWAではアウディやBMWよりも先に(2リッター4気筒ターボ)エンジンができていた」という。

 坂東代表はまた、「諸々の問題をクリアしてステップを上げれば、当然諸外国からもスーパーGTにも参加できるようになる。こちらとしてもプライベーターがいける環境も作れるかもしれない。そうすれば3メーカーに車両作りを依頼して、同じ条件でDTMにプライベーターが参加することも可能だし、セミワークスのようにしたりと、いろいろなことも考えられる」とアストンマーチン参戦による波及効果を期待している。

 オートスポーツNo.1492でも触れているが、今回Rモータースポーツというプライベーターが参戦する形でクラス1車両が開発されることで、理論的にはGT500にも参戦することが可能になる。また、今までドイツメーカーのクラス1車両は“ワークス活動として使われることが前提の車両”であったため、GT500参戦には高いハードルがあったが、逆にRモータースポーツが“プライベーターのクラス1”参加を実現することで、GT500にもいい前例となることが期待できる。

 折しも2018年からは、GT3車両としてバンテージGT3をリリースするアストンマーチン。当然このGT3車両を使えば、GT300にも参加が可能になる。アストンマーチンはここ数年アジアへのマーケティングを強めており、今後日本のモータースポーツ界で“アストンマーチン”の名を聞く機会が増える予感だ。