11月17日公開の映画『いろとりどりの親子』の著名人コメントが到着した。
同作は、24か国で翻訳され、2012年に『全米批評家協会賞』や『ニューヨークタイムズ』ベストブックに選出されたアンドリュー・ソロモンのノンフィクション本『Far From The Tree: Parents, Children and the Search for Identity』を映画化したもの。自閉症、ダウン症、低身長症、LGBTといった様々な「違い」を抱えた子供を持つ6組の親子たちが直面する困難や、その経験から得られる喜び、愛情を描いたドキュメンタリーだ。
今回コメントを寄せた著名人は、谷川俊太郎、坂本美雨、茂木健一郎、ロバート キャンベル、長野智子、東ちづる、小林エリカ、木村草太、乙武洋匡、犬山紙子、ブルボンヌ、奥山佳恵、長島有里枝、栗原類、ファンタジスタさくらだ、岩井秀人、齋藤陽道、湯浅誠、星野概念、武田砂鉄の20人。
谷川俊太郎は「『違う』ことが恐怖と憎悪を生み、『同じ』ことが共感と愛を生む、そう思いこまされている私たちに、この映画は違う次元の可能性を見せてくれる」とコメント。また坂本美雨は「世にも美しい瞬間が写っている。一人でも多くの人に見てほしい。人が世界一大事な人を想う、生々しいその様を」と述べている。
■谷川俊太郎のコメント
「違う」ことが恐怖と憎悪を生み、「同じ」ことが共感と愛を生む、そう思いこまされている私たちに、この映画は違う次元の可能性を見せてくれる。
■坂本美雨のコメント
世にも美しい瞬間が写っている。
一人でも多くの人に見てほしい。
人が世界一大事な人を想う、生々しいその様を。
■茂木健一郎のコメント
個性は、障がいではなく、祝福されるもの。
そのことに気づくことで、私たちは救われる。
幸せのかたちは、無数にある。
あの文豪トルストイの叡智さえをも超えた、映画の新たな到達点。
10年に一つの傑作! 必見です!
■ロバート キャンベルのコメント
リンゴは木から遠いところには落ちないという諺があるように、子は親に似るものだと教えられてきました。でも、まるっきり違う目と足で世界を体験する親子もいます。
その違いが越えがたく大きいほど、見えてくる家族の本質もあるはずです。
この映画は、距離があるからこそ感じる深い絆を、美しく描いていて素晴らしいのです。
■長野智子のコメント
「違うこと」を受け入れることで輝きに溢れる「幸せ」を前に、「普通」という言葉があきれるほどに意味を失いモノトーンであるリアルをこの映画が教えてくれる。
■東ちづるのコメント
この映画の素晴らしさを語り始めると止まらなくなりそう。
私たちはすでに色とりどり、まぜこぜに生きています。
それなのに分断される現実が。
「見せかけのヒューマニズム」感満載の今のシンドイ社会に、希望の光を射してくれます。
■小林エリカのコメント
トルストイの言葉を覆し、幸福な家庭こそそれぞれの形があるということを、身をもってひとりひとりが示してくれるこの映画に、最初から最後まで涙が止まりませんでした。
■木村草太のコメント
親は子の幸せを願う。
健やかに育ちますように。
友達と仲良くできますように。
素敵な家族を持てますように。
そんな「ささやかな願い」に、親も子も追い詰められている。
もっと上手に「子の幸せ」を願えますように。
■乙武洋匡のコメント
こんな形で生まれてきた私を、両親は受け入れてくれた。「まあ、かわいい」と。そうして私の人生が始まった。親に認められることは、その後の人生において大きな原動力になるのだ。何せ、人生で初めての出会いとなるのだから。
■犬山紙子のコメント
違うことは不幸じゃない。
自分は偏見がないと言えてしまう人の偏見をぺりぺりと剥がし、視界をクリアにしてくれる。
■ブルボンヌのコメント
親に「そう生まれたこと」を嘆かれた人たちは、私のまわりにも少なくない。
少数者に生産性があるか、ではなく、そのカラフルな存在によって「親や社会が気づき変わること」に生き抜く希望があるのだ。
■奥山佳恵のコメント
「あなたは、あなたのままでいいよ」そんな風に言われてホッとしない人はいないと思う。すべての人にとってきっと肩の力が抜けるような映画。親も子も、私たちはみんなそれぞれ、いろとりどりだから。
■長島有里枝のコメント
子供が自分と「違う」とき、多くの親は彼らが同じように「しない」んじゃなく「できない」んだと思う。そう思わない親になるのは難しい、でも、幸せに焦点を合わせれば焦りはぼやける。それでもいいんだ、と思えた。
■栗原類のコメント
愛情が有ればどんな事も超越出来ると言うわけでは無いが、必ず力にはなってくれる。
■ファンタジスタさくらだのコメント
すべての子育てをする人たちへの、エール、そして確かな希望に満ちた作品。
■岩井秀人のコメント
すべての他者は、『わたしの知らないもう一つの世界を知っている者』だ。
世界があらゆる差別や偏見と戦っている今、この映画はそのことを優しく思い起こさせる。
■齋藤陽道のコメント
ここに登場する人々は「現実の世界」においてはマイノリティとされる。しかし遠く厳しいながらも「真の世界」に向かう道のりの先鋒に立ち、異なることの悲しみも喜びも一身で受けながら進む孤高の存在でもある。
■湯浅誠のコメント
多様性礼賛と礼賛批判を超えた、成熟した大人の映画だ。あのシワと、諦念と、穏やかさと、尊厳の同居した複雑さを、自分の中に沈殿させていくように味わいたい。
■星野概念のコメント
例えば、人よりも目立ちやすい側面があったとしても、人と自分は全く違うわけではないし、全く同じわけでもありません。すごく当たり前なことです。なのに、社会の中にいると簡単に、「違う」とか「同じ」とか括ってしまいそうになることが多くあります。それに待った!をかけて、「私たち、ここが違って、ここが同じだね」なんて話がしたくなる作品でした。
■武田砂鉄のコメント
こうあるべき、という窮屈な世の中を作っているのは誰なのだろう。
その一方で、これでいい、これがいいと、ゆっくりと認め合ってきた人たちがいる。
世界が、社会が、後者によって作られたらいいのに、と思う。