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キズナアイ、KMNZ、X’Flare、somunia、ココロナキ……クラブで聴きたいVTuberのアンセムたち

2018年10月23日 10:02  リアルサウンド

リアルサウンド

 バーチャルYouTuberの音楽シーンを楽曲紹介という形で追っていく、「バの音楽事情」第3回。今回は「クラブで聴きたい曲」を中心に紹介していこうと思う。


(関連:VTuberの音楽を追う「バの音楽事情」 ひなつくり、まじかるどーる、KAGAYAKI STARSら“バーチャルアイドル”の注目作


 バーチャルYouTuber達の楽曲が「アニソン」などのように一つのカテゴリとして確立される日はまだ先になるだろうが、少なくともバーチャルYouTuberが好きな人達による音楽イベントはそろそろ開催されてもおかしくない頃合いだ。現場で周りが盛り上がる中で一人だけ「この曲何?」といった状態にならないためにも、絶対にチェックしておきたいアンセムから順に紹介していく。


Kizna AI「Hello, Morning」


 言わずと知れた「バーチャルYouTuber」という言葉の始祖、キズナアイ。


 「Hello,Morning」は、2016年末から活動する彼女が2018年7月にリリースした初のオリジナル楽曲である。作編曲はFuture bassを基盤としたサウンドで国内外でも注目を集めるNorが担当し、作詞はキズナアイ本人が担当。真っ白な空間でAIとして生まれたキズナアイの切なくも希望に満ちた歌詞は、古くからのファンには強く刺さっただろう。


 Norの得意分野であるFuture bassを取り込んだポップなサウンドで、アニソン・クラブシーンではすでに多くの場所でこの楽曲が使われ始めている。kz(livetune)に憧れて作曲を始めたNorが、「Hello, Morning」のリリースされた夜にMograというクラブハウスに足を運んだ際、出演者であるkzが目の前で「Hello, Morning」をかけた、というストーリーは一部でちょっと有名。各種ストリーミングサイトでも配信中。


KMNZ「VR」


 ヒップホップ系バーチャルYouTuberユニット「KMNZ(ケモノズ)」のオリジナル楽曲。作編曲は国内・国外問わず凄まじい人気を誇るトラックメイカーのSnail’s Houseが担当している。
 
 歌詞はKMNCRAW(ケモノクルー)と呼ばれるKMNZの運営に関わる人々によって作られたらしい。サウンドはBPM131のエレクトロハウスだが、二人の掛け合いを活かしたラップがヒップホップ性を担っている。結果として起きた融合が他では聴くことのできないオリジナリティを生み出しているようだ。


 歌ってみた、リミックスなどの二次創作が公式から奨励されている珍しい作品であり、KMNZのホームページからはカラオケ版の音源をダウンロードすることができる。各種ストリーミングサイトで配信中。


X’Flare「拡散性マジョリティ」


 バーチャルYouTuber「X’Flare(クロスフレア)」によるオリジナルMV。元はK.AyuTaka氏が主催するサークル「X enc’ount」のキャラクターだったが、2018年9月頃にプロジェクトの一つとしてバーチャルYouTuberとしてデビュー。


 X enc’ountは音楽で人々に夢と希望を与える機関であり、クロスフレアは任務をこなしながら別れた姉を探している、らしい。


 「X End’less story」というタイトルでストーリー形式の動画を展開しており、この楽曲はX End’less storyの主題歌である。Future bass的サウンドを取り入れたハードコアで、MVはモーショングラフィックスによるハイクオリティなものに仕上がっている。3:20~あたりにベースドロップもあるのでそちらも必聴。


somunia「summer leap」


 2018年7月末から活動を開始したバーチャルYouTuber「somunia」による楽曲。現在彼女のチャンネルに投稿されている動画は謎めいたプロローグと、「summer leap」のデモ、薬袋カルテの楽曲である「Stardust finding you」のカバー、及び2ndシングルのクロスフェードデモのみであり、ほぼ音楽メインの活動になっているようだ(謎めいたプロローグからストーリーが展開される可能性もあるが)。楽曲はローファイな雰囲気から始まり、サビではFuture bass的要素も見受けられる。


 10月末に開催される同人CD即売会イベント「M3」にて、前述した2ndシングル「Connected World」をリリース予定。作編曲にはgaburyu、Toccoyaki、Capchiiなどインターネットミュージックシーンで活躍するトラックメイカーが参加している。ここで紹介した「summer leap」は各種ストリーミングサイトで配信中、2ndシングルは11月から順次配信予定。


ココロナキ「Virthday」


 つい先日から活動を開始したばかりのバーチャルYouTuber「ココロナキ」によるオリジナル楽曲。キズナアイとは対照的に真っ暗な空間で目を覚まし、そこに出現した一台のスマートフォンからYouTubeやTwitterへ接続している。あと記憶喪失。生まれた瞬間から生まれてきた意味を模索した結果、どうやらバーチャルYouTuberとして生まれてきたらしい、ということに気づき、9月中旬から動画投稿を開始した。


 10月末のM3にて「オリジナル曲3曲入りCD付き同人誌」を頒布予定で、その中から「Virthday」がsoundcloudにて先行フリー公開された(ダウンロードも可能)。また他の2曲も順次フリー公開していく予定とのこと。サウンドは全体を通して煌びやかなエレクトロポップだが、アニソン感のあるバンド楽曲も収録されている。特に筆者は2曲目がオススメなのでクロスフェードデモをチェックしてほしい。作曲はぱしふぃこ氏だが、どうやらココロナキのために作られたアカウントらしく、詳細は不明である。


 今回はクラブで聴きたいバーチャルYouTuber楽曲を5曲紹介させて頂いた。「バの音楽事情」は週一回を目標に更新していく。もしバーチャルYouTuber関連の楽曲でおすすめのものがあれば、是非とも筆者のマシュマロ(https://marshmallow-qa.com/grapefruit_uhr?utm_medium=url_text&utm_source=promotion)まで情報を寄せて頂きたい。


(じーえふ)