トップへ

“昔の人”役だけじゃない 関西ジャニーズJr. 西畑大吾、今どき大学生も好演するマルチな演技力

2018年10月23日 10:02  リアルサウンド

リアルサウンド

 関西ジャニーズJr.の西畑大吾といえば、俳優として大活躍を見せているジャニーズJr.だ。まだデビューしていないにも関わらず、数々の映画やドラマに出演し、圧巻の演技を披露してきた。そんな西畑が、ついにゴールデンの連続テレビドラマにレギュラー出演する。


 西畑が出演しているのは、毎週火曜日21時から放送されている『僕らは奇跡でできている』(カンテレ・フジテレビ系)。 高橋一生が民放のゴールデンプライム帯の連続ドラマで初主演を果たすことで、注目を集めている。高橋が演じるのは、動物行動学を教える大学講師・相河一輝。相河は大好きな生き物のことや、気になることを考え始めると周りに目もくれず没頭してしまう性格。そのため変わり者扱いをされているが、相河の常識や固定観念にとらわれない言動に、周囲の人々は価値観を大きく揺さぶられ、好きなことに夢中になっていた頃の気持ちを思い出す。


 そして西畑が演じるのは、相河の教え子の1人・新庄龍太郎だ。群馬県から上京した新庄は、天然の愛されキャラ。人生に目標があるわけでもなく、大学は遊ぶ場所という認識で毎日過ごしているが、実はあるコンプレックスを抱えている。まだ新庄にフォーカスされた回が放送されていないため、今のところ未知数な存在だが、西畑の演技に注目が集まる。


 西畑は過去2回、NHKの連続テレビ小説に出演した経験がある。『ごちそうさん』(NHK総合)では、杏演じる主人公・め以子の次男の学生時代を熱演し、「本当の親子みたい」と好評だった。実は、この『ごちそうさん』が西畑にとって初ドラマ出演。今見返しても、初出演とは到底思えない堂々たる演技である。


 そして2年後の2016年には『あさが来た』(NHK総合)で2度目の連続テレビ小説出演を果たす。演じたのは、宮崎あおい演じるはつの次男・養之助。いがぐり坊主頭に太い眉毛、純粋さが溢れる眼差しなど、現代人っぽくない雰囲気がドラマにピッタリだと、多くの称賛の声を集めた。それ以降も着実に出演作品を増やしていき、昨今では映画『PとJK』や『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』に抜擢。


 『PとJK』では、ヒロイン・本谷歌子(土屋太鳳)の友人・永倉二郎役を務めた。2作とも時代劇だった連続テレビ小説とは打って変わった男子高校生役。友人数人とたむろしているシーンは、まさに高校生の日常を垣間見ているようで、連続テレビ小説でついた“昔の人の演技がうまい”というイメージを一新したのではないかと思う。


 そして、『ラストレシピ ~麒麟の舌の記憶~』では1930年代の若き料理人・鎌田正太郎役を好演。男子高校生役から一転、連続テレビ小説時代のビジュアルに近い役柄で、丸刈りと太い眉毛が特徴的だった。やはり西畑は時代ものの役が十八番なのだろうか。この時代独特の控えめながらも一本筋の通った人物像を表現するのが見事であった。


 こう振り返ってみると、西畑の演技は、作品の時代が変わってもブレることがない。その強みを活かし、『僕らは奇跡でできている』で演じるのは今どきの男子大学生。10月16日に放送された第2話では、新庄は授業を聞かずに寝ていたり、蛇に必要以上に怯えたり、ダルそうにフィールドワークをこなしたりとマイペース。また、普段の関西弁も封印して、標準語で話すのも新鮮に映る。作品のどんな時代にも自由自在に溶け込むだけでなく、物語の世界像にあったキャラクターを演じるのが西畑の演技スタイルのよう。西畑演じる新庄が、フォーカスされる放送回を心待ちにしたい。(高橋梓)