フォーミュラE“ルーキー”ながらテスト初日と最終日にトップタイムをマークしたアレクサンダー・シムズ(BMW i アンドレッティ・モータースポート) 2018/19年ABBフォーミュラE選手権の公式プレシーズンテストは10月19日、スペインのバレンシア・サーキットで最終日3日目が行われ、16日の初日にトップタイムをマークしたアレクサンダー・シムズ(BMW i アンドレッティ・モータースポート)がふたたび全体最速タイムを記録してテストを締めくくった。
18日の休養日を挟んで行われたプレシーズンテスト最終日は、前日から続く雨の影響で午前のセッションはウエットコンディションでの開催に。
ここで速さをみせたのはテスト2日目にトップタイムをマークしたアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(BMW i アンドレッティ・モータースポート)だ。タイムは1分24秒870と、出走22台中唯一の1分24秒台入りとなった。
これに続いたのはジャン-エリック・ベルニュ(DSテチーター)。ディフェンディングチャンピオンであるベルニュは、濡れた路面でスピンを喫する場面もみられたものの、1分25秒258をマークして2番手につけてみせる。3番手にはパスカル・ウェーレイン(マヒンドラ・レーシング)が0.261秒差で王者に続いた。
天候、路面ともにコンディションが回復したことでドライコンディションとなった午後のセッションでは、午前中4番手となったシムズが1分17秒402という3日目最速タイムを記録する。
「バレンシアでのプレシーズンテストは本当に良い結果だった」と3日間のテストを総括したシムズ。
「火曜(2日目)午前のセッション後に少し判断に悩むところもあったけれど、今日はウエットとドライ、それぞれ違うコンディションのなかで速さをみせることができた」
「バレンシアのトラック自体はフォーミュラEの代表的なもの(市街地サーキット)とは異なる。だけど、BMW i アンドレッティ・モータースポートはあらゆる条件のなかで競争力を持っていると思うよ」と自信をのぞかせた。
そのシムズに続いたのは、テスト後に「クルマとシステムを理解するには、まだまだたくさんやることがある」と語ったベルニュ。トップと0.462秒差の3番手にはミッチ・エバンス(パナソニック・ジャガー・レーシング)が入り、ジャガーが今テスト中初めてのトップ3入りを果たしている。
4番手は午前中に2番手タイムをマークしたウェーレイン。5番手にはマキシミリアン・ギュンター(ジェオックス・ドラゴン)がつけ、ここまでが1分17秒台のタイムを記録した。
ルノーに代わり2018/19年のシーズン5からフォーミュラEに参戦するニッサン・e.ダムスは、“エース”のセバスチャン・ブエミが午前中7番手、午後は9番手という結果に。
また、アレックス・アルボンに代わってチームに加わったオリバー・ローランドは、この日初めて『ニッサンIM01』をドライブ。午前中はマシントラブルによって走れない時間帯もあったなかで15番手タイムを記録すると、49周をラップした午後は1分20秒416をマークして18番手となっている。
次世代シャシー“Gen2”の導入をはじめ、乗り換えの撤廃、レースフォーマットの変更といったさまざまな改革が盛り込まれたフォーミュラEのシーズン5は、12月15日、サウジアラビアの首都リヤド郊外で開催されるディルイーヤE-Prixで幕を開ける。