映画『葬式の名人』のキャストが発表された。
2019年に公開される『葬式の名人』は、川端康成の作品『十六歳の日記』『師の棺を肩に』『少年』『バッタと鈴虫』『葬式の名人』『片腕』などを原案とした映画。監督は映画評論家としても知られる樋口尚文、脚本とプロデュースは『太秦ライムライト』で知られ、川端の母校・大阪府立茨木高校の後輩でもある大野裕之が手掛けた。
発表されたキャストは、小学生の息子を育てるシングルマザー・渡辺雪子役の前田敦子と、茨木高校の野球部顧問・豊川大輔役の高良健吾。あらすじは、高校時代の同級生の訃報で集まった雪子や大輔らが、奇想天外な通夜を体験するというもの。前田敦子は同作で初めての母親役、関西弁での演劇に挑む。
なお同作は、川端康成が18歳まで過ごした大阪・茨木市の市制70周年記念事業の一環として制作。茨木市の全面協力のもと8月に茨木高校など茨木市内で撮影された。
■樋口尚文監督のコメント
私はかねて女優としての前田敦子さんに心酔していましたが、いつか前田さんでマーティン・スコセッシ『アリスの恋』のようなカッコいいシングルマザーが描けたら、というかなわぬ夢を持っていました。その「まさか」が今回の『葬式の名人』で実現、前田さんは初の関西弁も味方につけて、初のママ役をもの凄い集中力で演じきってくれました。これ以上はない相手役の高良健吾さんの繊細で緻密な演技も必見です。しかもなんと世界的文豪の川端康成の小説を原案とした、コメディありラブストーリーありファンタジーありの〈世にもフシギなお通夜〉に、観客の皆さんにも笑って泣いて「参列」していただきたいです。
■大野裕之プロデューサーのコメント
コメディを書いたはずが、前田敦子さんの情愛あふれる熱演に何度も泣かされ、高良健吾さんの色っぽくて真っ直ぐな演技に震えました。樋口尚文監督はじめ名匠スタッフ陣のおかげで、大切な同級生のお通夜を通して、生きることの大切さをユーモラスに描く作品ができました。
それにしても、川端康成の母校である大阪府立茨木高校でのロケは、映画の達人たちによる楽しいお祭りのようでした。(実は、茨木高校は私の母校でもあるので、本当に感無量なんです!)皆様もこの熱いお祭りに、奇妙で感動的な<同窓会>に、ぜひおいでください!