2018年10月22日 11:02 弁護士ドットコム
ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリなどの高級外車を法人で所有して、会社の経費として計上したい、という相談が税理士ドットコムに寄せられています。
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相談者によると、「業種は保育園事業を営んでいる法人の役員が乗る車両の予定」で、「いくつも保育園を運営しているので、その移動で使用」したいのだと言います。
高級外車であっても経費として計上することが出来るのでしょうか。三宅伸税理士に聞きました。
「通常、法人が事業用の車を購入した場合、その車の購入代金相当額は会社の資産に計上され、減価償却費として法定耐用年数に応じた金額を経費計上することになります。
減価償却費として経費計上できるのは、その資産を事業のために使っている場合に限られており、『事業の用に供していないもの及び時の経過によりその価値の減少しないものを除く。(法人税施行令13)』とされています。
つまり、事業に使用せず社長個人がプライベートに使用するために購入した車については、減価償却費として経費計上できないだけでなく、会社が支払った車の購入代金は社長に対する賞与(経費計上できない報酬)とみなされ、社長個人にも所得税が課せられます」
ずいぶん扱いが変わるわけですね。では高級外車の場合はどうでしょうか。
「ご相談の方は事業で使用されるとのことなので、経費計上できる可能性は大きいですが、ポルシェ、ランボルギーニ、フェラーリ等の高級外車を会社で使うことは『一般的』とは言い難いところもあり税務署から指摘を受ける可能性が高いかもしれません。
税務調査でもめないためにも、事業として使用していることを証明できるようにしておくことが必要です。面倒でも運転記録等を残して事業に使っている事実を明らかにしておくことをおすすめします。
過去に『フェラーリが会社の経費になるのかどうか』が争われ裁判の結果、経費と認めた判決(平成7年10月12日裁決)があります。
ただし、この裁判も、もともとは税務調査で『フェラーリは高級スポーツカーであり事業内容や社会常識から考えて、個人的な趣味の影響が大きい』、という理由で『経費にできない』とされた経緯があります。
結果的には車が業務に使用されかつ事業に必要であるか否かで判断されるものと考えられます」
【取材協力税理士】
三宅伸(みやけ・しん)税理士
大阪府立大学経済学部卒業後大手リース会社勤務。仕事、育児、勉強を両立しながら大阪の税理士法人に勤務。平成26年11月堂島で三宅伸税理士事務所を開業。設立当初からクラウド会計の導入をすすめストレスフリーな事務環境の提供をすすめている。常にお客様の立場に立って考えお客様と共に成長していくことをモットーに起業支援、医療関係、相続等を軸に幅広く活動している。
事務所名 : 三宅伸税理士事務所
事務所URL: http://miyake-tax.jp/index.html
(弁護士ドットコムニュース)