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LEXUS GAZOO Racing 2018スーパーGT第7戦オートポリス レースレポート

2018年10月22日 11:02  AUTOSPORT web

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優勝したKeePer TOM’S LC500
SUPER GT 第7戦
AUTOPOLIS GT 300km RACE

決勝で速さを見せたLEXUS勢がトップ4独占!
平川亮/N.キャシディ組が今季初勝利でランキング首位タイへ
GT300クラスでも新田守男/中山雄一組LEXUS RC F GT3が今季2勝目

 スーパーGTの第7戦が九州・大分のオートポリスで開催。予選ではライバルの先行を許したLEXUS勢でしたが、決勝では速さを見せ逆転。平川亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM’S LC500 1号車が今季初勝利でランキング首位タイに浮上。中嶋一貴/関口雄飛組 au TOM’S LC500 36号車が2位、国本雄資/山下健太組 WedsSport ADVAN LC500 19号車が3位、立川祐路/石浦宏明組 ZENT CERUMO LC500 38号車が4位で続き、LEXUS LC500がトップ4を独占しました。また、GT300クラスでも10番手スタートの新田守男/中山雄一組 K-tunes RC F GT3 96号車が追い上げて今季2勝目を挙げました。

 スーパーGT第7戦『AUTOPOLIS GT 300km RACE』が10月20日(土)、21日(日)の両日、大分県のオートポリスで開催されました。

 年間8戦で戦われているスーパーGTも残すところ2戦となりました。今季のスーパーGTはここまでの6戦で2勝を挙げたチームがいないという乱戦になっています。LEXUS勢では未勝利ながら表彰台3回の平川亮/ニック・キャシディ組 KeePer TOM’S LC500 1号車が首位と14点差のランキング3位、第5戦の富士500マイルで勝利を挙げたau TOM’S LC500 36号車の関口雄飛(中嶋一貴は欠場があるため)が21点差のランキング5位。

 残り2戦となった今大会はウェイトハンデがポイント×1kgと半減。LEXUS LC500が持つ本来のパフォーマンスを引き出しての逆転タイトルを目指し、今大会に臨みました。

■予選
 20日(土)午前中は雲に覆われ、肌寒いなかでフリー走行が実施されましたが、昼頃には太陽も顔を出し、気温は15度と低いものの、日差しには暖かさを感じるほどとなり路面温度は30度まで上昇した午後2時半、ノックアウト方式の予選が開始されました。

 GT500クラスのQ1は、先んじて実施されたGT300クラスQ1での赤旗中断により4分遅れで開始。好調なNSX勢が上位を占めるなか、1号車の平川がコースレコード更新のタイムでこれに割って入り3番手。中嶋一貴の36号車が6番手、石浦 宏明のZENT CERUMO LC500 38号車が7番手でQ2進出を果たしました。

 一方でフェリックス・ローゼンクヴィストがアタックしたWAKO’S 4CR LC500 6号車、山下 健太のWedsSport ADVAN LC500 19号車は共にQ2進出ラインの8番手にコンマ2秒ほど及ばず9番手、10番手。前日誕生日を迎えたヘイキ・コバライネンのDENSO KOBELCO SARD LC500 39号車もタイムを伸ばせず12番手グリッドが確定しました。

 Q2でもNSX勢が速さを見せるなか、36号車関口、1号車キャシディのトムス勢2台が共にコースレコード更新タイムで4番手、5番手。立川祐路の38号車は8番手となりました。

 GT300クラスでは、Q1でルーキーの宮田莉朋が駆るSYNTIUM LMcorsa RC F GT3 60号車が3周目にいきなり好タイムをマークしトップに浮上。10分が経過したところでスピンしコース上に停まった車両によりセッションは赤旗中断。4分後、残り5分でセッションが再開されると、中山雄一のK-tunes RC F GT3 96号車が8番手に。60号車のタイムは塗り替えられることなく、2台のLEXUS RC F GT3がQ2進出。

 ランキング2位につけタイトルを争うTOYOTA PRIUS apr GT 31号車は嵯峨 宏紀が序盤、アタックに入ったところで赤旗中断の不運に。ここでタイヤグリップのピークを使い切ってしまったため、再アタックではタイムを伸ばせずまさかの最後尾。織戸学がアタックしたTOYOTA PRIUS apr GT 30号車は19番手。arto RC F GT3 35号車が26番手でQ1敗退となりました。

 Q2では新田守男がアタックした96号車が10番手。吉本大樹の60号車は13番手につけました。

■決勝
 21日(日)は朝から好天に恵まれ、暖かな日差しの下、気温17度、路面温度36度のコンディションで、午後2時に65周で争われる第7戦の決勝レースのスタートが切られました。

 2列目4番手スタートの36号車中嶋一貴が絶好のダッシュを決めて3位へと浮上。予選ではライバルの後塵を拝することとなったLEXUS勢でしたが、決勝ではライバルを上回る速さを見せ、各車が次々にポジションアップ。特に36号車は11周目、12周目で2台続けてかわし、首位に立ちました。

 首位に立った36号車は後続を周回毎に引き離して行きましたが、19周目にスピンを喫してコース上に停まってしまった車両があり、翌周セーフティカーが導入。この時点で8秒以上開いていた2位以下とのマージンは帳消しとなってしまいました。

 逆にこのセーフティカーが幸運に働いたのが19号車。山下がスタートを担当した19号車は、最初のスティントを短くとる、2ピットイン作戦を選択。7位走行中の16周目にピットインし、タイヤを交換したことで最後尾に落ちてしまいましたが、このセーフティカー導入によりピットインでのタイムロスを取り戻すことに成功しました。

 25周目にセーフティカーが退出しレースが再開されると、上位のライバル勢が先にピットへ。この間、LEXUS勢はハイペースで周回を重ねました。

 29周終了時、1位、2位を走行していた36号車と1号車が同時にピットインし、それぞれ関口と平川へとドライバーチェンジ。それまでにハイペースで稼いだマージンと、ピットの好作業にも助けられ、2台ともに先にピットインしていたライバル勢の前でコースへ復帰しました。

 中盤までにほとんどの車両がピットを終えましたが、2ピット作戦の19号車は最後までピットインのタイミングを引っ張り、山下も好ペースで快走。41周終了時点でピットへ向かった19号車は、国本へとドライバー交代を行い、3位でコース復帰。首位が36号車、2位1号車、3位19号車、4位38号車と、予選では苦戦したLEXUS LC500がトップ4を占めての後半戦となりました。

 首位36号車と2位の1号車の差は数秒で推移していましたが、レース終盤に入るとややタイヤの厳しくなった36号車にペースで上回る1号車が猛追。60周目に逆転し、1号車が首位に立ちました。

 その後は36号車も大きく離されることなく2台はワン・ツー状態で周回を重ね、チェッカー。1号車が今季初勝利を挙げました。2位に36号車、3位に19号車が入り、第4戦タイラウンド以来となる表彰台を獲得。また、LEXUS勢としては同じタイラウンド以来となる表彰台独占を果たしました。

 4位は終盤後続の猛追を受けながらも凌ぎきった38号車が入り、LEXUS LC500はトップ4を占めることとなりました。

 GT300クラスでは、31号車がピットスタート。上位勢は1周目から接触やコースアウトなどやや荒れた序盤戦となりました。

 最後尾からの追い上げとなった31号車は、スタートを担当した嵯峨が猛烈な追い上げで10周を過ぎた頃にはトップ20圏内へと浮上。さらにポジションを上げていきました。

 GT300クラスでLEXUS/トヨタ勢最上位の10番手からスタートを切った96号車はスタートを担当した中山雄一が好ペースで順位を上げ、ライバル勢がピットインしていくことで首位に浮上すると、規定ぎりぎりまで走り続けて後続とのマージンを拡げていきました。40周目を終えた時点で96号車は中山雄一からベテラン新田へとドライバーチェンジ。ピットの素早い作業にも助けられ、首位のままコースへと復帰しました。

 後方では、嵯峨からバトンを受け取った31号車の平手が猛追。ランキング2位で今大会に臨み、タイトルを争う31号車は、終盤の追い上げでポイント圏内へと浮上しました。

 96号車はトップを守りきってチェッカー。今季2勝目を挙げました。この勝利で、新田は通算勝利数で最多タイの20勝目。31号車は10位でポイントを獲得し、今回優勝した96号車とともに、次戦最終戦に逆転タイトルの可能性を残して臨むこととなりました。

KeePer TOM’S LC500 1号車 ドライバー 平川亮
「昨日の予選ではライバルにトップ3を独占されてちょっと落胆していましたし、まさか優勝できるとは思っていませんでした。TRDやタイヤメーカーに感謝しています。チームでのワン・ツーで終われたというのは、みんながすごく頑張ってくれたおかげですし、ピットのタイミングも良かったです」

「後半僕へ交代してコースに復帰した時、ライバルの前に出られて、その後36号車と首位を争い、最後は勝てました。チャンピオン争いでトップタイに立てたのはすごくうれしいですが、まだ油断はできません。昨日の予選のように、これまで他のレースでも、予選でのライバルのパフォーマンスはすごく高いので、もし前に行かれてしまうと厳しいレースになる可能性もあります」

「ただ、最終戦は100号車だけを見て、その前でゴールすればいいわけですし、我々の車はもてぎではいつも相性が良いので、自信を持って臨みたいです」

KeePer TOM’S LC500 1号車 ドライバー ニック・キャシディ
「この勝利によって、タイトル争いにおいて素晴らしいチャンスが来たと感じています。トムスチーム、TRD、そしてレクサス、すべての人たちのおかげです。私のスティントはとても良いペースでしたが、極力リスクを犯さないように、しかしとにかく100号車の前に出ることが重要でした」

「その後は8号車や17号車とのバトルになりましたが、タイヤの摩耗も心配でしたし、接触などでダメージを負うことのないよう、安全に走ることを心掛けました。幸いにもチームの素晴らしい戦略とピット作業で前に出て、勝つことができました。とてもうれしいです。次戦でタイトルを決することになりますが、我々は昨年もタイトな状況で最終戦を迎え、タイトルを勝ち取っています」

「それが自信になりましたし、今の結果にも繋がっていると思います。ライバルは予選で速く、もてぎは狭く、抜きにくいコースなのでどうなるかわかりませんが、楽しみにしています」

au TOM’S LC500 36号車 ドライバー 中嶋一貴
「昨年もそうだったので、決勝では良い戦いができるだろうという自信はありました。ただ、序盤はライバルに逃げられて、途中で追いつくパターンかと思っていましたが、走り出してみたらこちらに余裕があり、すぐに追いついて抜くことができたので、ちょっとびっくりしました」

「セーフティカーの導入はタイヤのフィーリングが復活して良かった面と、築いたギャップが全部なくなってしまって損だった部分があると思いますが、レースなので仕方ないでしょう。今年2度目のトムスチームによるワン・ツー・フィニッシュということで、良いレースができたと思います」

au TOM’S LC500 36号車 ドライバー 関口雄飛
「またトムスでのワン・ツー・フィニッシュを飾ることができて、とてもうれしいです。決勝レースでは予選よりも良い戦いができるだろうと予想していましたが、ここまで行けるとは思っていませんでした」

「僕が担当した後半スティントも、クルマの調子も、ペースも良かったです。終盤は若干トラクションが悪くなったりはしましたが、問題はありませんでした。ランキングでは3位になりましたが、最終戦はやれるだけやるだけです」

WedsSport ADVAN LC500 19号車 ドライバー 国本雄資
「今回は路面温度が低く、どのメーカーのタイヤも苦しんでペースが落ちるだろうと想定して、2ピット作戦を採りました。正直なところ、我々は1回ピットでは厳しいかも知れないというのもありました」

「10番手グリッドから少しでも順位を上げたいという狙いでの作戦でしたが、セーフティカーが我々がピットアウトした直後という幸運なタイミングで出てくれて、40秒近いギャップがなくなりましたし、そこからは周りが良いタイミングでピットインしてくれたことで、前が空き、速いペースで走れたということもあります。幸運はありましたが、今年2度目の表彰台はうれしいです」

WedsSport ADVAN LC500 19号車 ドライバー 山下健太
「エンジニアのみなさんが素晴らしい戦略を考えてくれて、その通りに走っただけです。最初から2回ピット作戦のつもりで、ガソリンも軽い状態でスタートしました。タイヤの状況、ガソリンの状況もすべて予定通りでした」

「第2スティントはやや長かったので、終盤はちょっと辛かったですが、それでも周りと比べても悪くないペースで走れたので、次につながるレースができたかなと思います」