経団連が就職活動の時期などを定めた「就活ルール」の廃止を決定したことを受け、パソナは10月18日、「就職活動のあり方に関する学生意識調査」の調査結果を発表した。調査は今年9月にネット上で実施し、2020年卒業の大学生・大学院生622人から回答を得た。
就活ルールの廃止に「賛成」と答えた人は49.4%。一方、「反対」も39.7%にのぼり、賛否が分かれる結果となった。
「早期に始めた学生が有利になり、勉強や部活動に打ち込む学生が不利になる」の声も
廃止賛成の学生に理由を聞くと、最も多かったのが「自分のペースで企業選びができるから」(74.2%)が最多で、次いで「早期に内定を得られるから」(38.4%)となった。自由記述では、
「多くの企業がインターンシップ等で学生の早期選考を行なっており、ルール自体が形骸化している」
「現行ルールは海外留学経験者などが就職活動を行いにくい」
「新卒一括採用という仕組みが、雇用の流動性が高まった現代にそぐわない」
という声が目立った。
一方、廃止すべきでないという学生からは「学生生活全体のスケジュールが立てにくくなるから」が85.8%にのぼった。次いで「就職活動の期間が長引くから」(25.8%)となった。他にも、
「早期に就職活動を始めた学生が有利になり、勉強や部活動に真面目に打ち込む学生が不利になる」
「1年生など、まだ視野も狭く経験も浅い状態で将来を決めなければいけない状況になる」
「本来大学は学ぶための場であり、就職活動のためだけの場ではない」
などの声が寄せられた。
就活時期を自由に決められるなら「4年生になる前」が8割
就活の時期を自由に決められるとしたら、いつから開始するのが理想かを聞くと、上位2つは「3年生の8月(夏休み)」(22.3%)、「3年生の12月(冬休み)」(17%)となった。4年生になる前に開始したい学生は約75%にのぼった。また「卒業後」という人も6.9%いた。
活動スケジュールを学生が自由に決められるのなら、就活開始までしたいことを聞いた。最も多かったのは「学問」(73.9%)で、以降「インターンシップ」(62.5%)、「スポーツ・趣味(部活・サークル含む)」(60%)、「アルバイト」(59.4%)、「旅行」(56.5%)、「海外旅行」(43.4%)、「ボランティア活動(30%)と続いた。