僕は猫を、現在3頭飼っている。白猫、キジトラ、そして黒猫の3頭だ。それぞれに違った個性があってとても可愛い。
猫と暮らすことで、非常に毎日が楽しく彩られるように思える。マイペースな彼らを仕事の合間に眺めるだけで、ストレスも軽減されているような気もする。最近ではインスタグラムも始めてみた。ほぼほぼ猫の様子しかアップしていない。外出中にアクセスして、愛猫の画像を確認して癒されているのだ。
さて、先日猫好きとして気になることがあった。10月7日に放送された『林先生が驚く初耳学』(TBS)にて、「インスタ映えが原因で捨てられる黒猫が急増」なる見出しのコーナーが用意されていたのである。(文:松本ミゾレ)
イギリスの施設で保護された猫1000頭のうち700頭が黒猫
ざっとその趣旨を説明すると、黒猫は全身が黒一色なのでなかなか映える画像が撮影できず、インスタにアップしても反応が薄いから手放す人が増えている、という。
例として番組では、イギリスの英国王立動物虐待防止協会に保護されている猫1000頭のうち、700頭が黒猫であると説明されていた。僕としては700頭のうち何頭がインスタ映えしない、という理由で捨てられたのか知りたかったんだけど、番組ではそこには触れられなかった。
なので、僕なんかは「なんじゃそりゃ」と思ったんだけど、ツイッターでは結構この特集を真に受けてショックを受けている人も多かったようだ。
「猫や犬はインスタ映え・SNS映えの道具じゃない」
「黒猫の可愛さを知らないとは残念な連中だ」
なんて声が出ていた。
「何のためにインスタのフィルタ機能があるんだよ」感
個人的には、こういう深刻なテーマを取り扱うなら、正確なソースが不可欠だと思うんだけど、それもないまま「黒猫は映えないので捨てられる」みたいな説を紹介するのはどうかと思う。
この特集自体は数分で終わっちゃうんだけど、VTRで登場したペットジャーナリストは「黒猫は目以外が黒いので色が同化してしまい、かわいく映らないので捨てられてしまう」と話していた。
そして番組では、黒猫は写真を取ると凹凸がない仕上がりになり、さらにSNSのサムネイル表示では画像が小さく猫と認識しにくいとし、「にわかには信じがたい理由で黒猫を手放す人が急増中」としていた。
もしも、もしも仮にそんな理由で黒猫を手放す人がいるのだと仮定して話を進めるけど、そういう人ってインスタの画像フィルタ機能の存在に気付いてないんだろうか?
自分は毎日、自宅の黒猫をスマホで撮影しているけど、別に明るい場所で撮影すれば顔立ちだってくっきり分かるし、フィルタの中には黒猫の顔立ちを余計に目立たせる効果があるものもある。
だからどうにも「黒猫は映えないので捨てられている」とか言われても、現実に黒猫と暮らす人間としてはピンとこない。番組では、黒猫は「幸運を運ぶ」としてイギリスでは縁起がいい動物とされていると紹介していたが、欧州では黒猫は魔女の使い魔として忌み嫌われていた、という歴史もあるし、また別の理由があるのではないかと思う。
あと、ネットの反応とか見てると、さも国内でこういう馬鹿げたことが繰り広げられている、みたいな雰囲気になってるけど、今回はそういう話でもない。ある意味、番組の誘導が美味いんだろうけど、いろいろと疑問が出てくる内容だった。