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MotoGP:中須賀、日本GP FP4ではプッシュして転倒。「自分で流れを断ち切ってしまった」

2018年10月20日 22:12  AUTOSPORT web

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中須賀はFP4で転倒を喫し、そこからリズムを崩してしまった
MotoGP日本GPにワイルドカードとして参戦中の中須賀克行(ヤマルーブ・ヤマハ・ファクトリー・レーシング)が、予選で20番グリッドを獲得した。テストライダーの視点を持ちながら己のレースをも戦う中須賀。20番手という結果はフリー走行4回目の転倒が響いたものだが、これまでのセッションでは決勝レースへの期待を充分に感じさせている。

 中須賀は予選日の午前中に行われたフリー走行3回目で、14番手につけた。トップからは約1.2秒差。このフリー走行3回目では、中須賀はヤマハYZR-M1のテストライダーとしての役割から、マシンを乗り比べながらタイムを記録していた。

 しかしフリー走行4回目、中須賀はセッション中盤に5コーナーで転倒を喫する。この転倒は、中須賀がこの2日間に築いたリズムを分断した。

「フリー走行4回目では決勝レースを想定したタイヤで走りました。リズムよく乗れていて、1分46秒台後半で走れると思いました。ただ、前が開けたときにタイムを上げようと欲を出してプッシュしたところ、転倒してしまいました。行き過ぎたのかなとも思います」

「すぐにピットに戻ってTカーで再スタートし、リズムを戻そうと一生懸命走りましたが、1回転倒したことがあって攻めきることができなかったです」

 予選Q1でもタイムが伸び悩み、中須賀はQ1を10番手、20番グリッドを獲得してセッションを終えた。中須賀は「思うようなタイムが出せなかった」とQ1を振り返る。

「手ごたえはフリー走行4回目で感じていたので、Q1もプッシュしていけば、いいタイムが出るんじゃないかと期待はありました。ただ、(フリー走行4回目の転倒で)流れを自分で断ち切ったことで、20番手と非常に苦しい順位になってしまいました」

 それでも手ごたえはつかんでいる様子。中須賀の表情は、コメントの内容に反して暗いものではない。

「1日通してはテストもしっかりこなせましたし、いいところもあったので、明日につながる日になったと思っています」

 モビスター・ヤマハ・MotoGPの不調によりヤマハYZR-M1のポテンシャルに注目が集まるなか、2日間レースウイークのなかでこのマシンにまたがった中須賀。そのインプレッションについて質問が飛ぶと、「ヤマハのテストコースやもてぎでテストをしているのですが、自分としては周りが騒ぐほど悪いかな、という印象です」と言う。

「コンディションによって大きく変化することはありますから直していかないといけないなとは思ってはいますけどね。今回の予選結果では(ヨハン・)ザルコ選手が2番グリッドにいますし、ファクトリーのふたりはウイークからは順位を落としてしまいましたが、アベレージは悪くありません」

 そんな視点を持ちながらこのレースウイークを戦う中須賀にとって、MotoGP参戦は「全日本(ロードレース選手権)にはない刺激がある」レースだと語る。MotoGPのフル参戦ライダーとともに走ることにより、マシンの走らせ方として新しい発見があり、それは中須賀自身のさらなる進化へのモチベーションにもなっている。

 そんな中須賀、日本人ライダーとしてMotoGPクラスにフル参戦する中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)に対しては、少なからず対抗心があるのだとか。

「MotoGPに出ている以上負けたくないですね。中上選手もそう思っていると思いますよ。逆の立場だったら僕も意識すると思いますから。予選では中上選手の方が前に来ましたけど、いい相乗効果でふたりで前にいければいいなと思いますね」

 2017年のワイルドカード参戦、中須賀は12位フィニッシュを果たした。今年の目標はその順位を上回ることだ。

「去年の12位よりも上でシングルフィニッシュできるようにしたいです。スタッフも懸命にバイクを直してくれて、いいバイクを用意してくれると思います。日本ではファンも多いので、期待に応えるべく最後までプッシュし続けて、いい走りをできればいいなと思います」

 中須賀にとって7度目の日本GPMotoGPクラス参戦。フル参戦のMotoGPライダーに、その存在感を見せつけたい。