スーパーGT第7戦オートポリス、NSX勢のトップ3独占となったGT500クラスの予選でポールポジションを獲得したのはARTA NSX-GTだった。予選後、野尻智紀と伊沢拓也がチャンピオン争いにおいても重要な局面でのポール獲得を振り返り、明日の決勝への意気込みを語った。
ARTA NSX-GT
野尻智紀
「朝の練習走行の流れはちょっと厳しいかな、というものでしたが、最後のクラス専有の時間帯にはいいところにいった感じでしたね。そのあと、サーキットサファリのときにも確認できる範囲での確認はしましたけど、予選でどのあたりの順位までいけるのか、それはなかなかつかみきれないままで予選に向かいました」
「Q1で伊沢選手がクルマの問題点をチームにしっかり伝えてくれて、僕にも力強いアドバイスをしてくれました。チームもいい仕事をしてくれましたし、ホンダもいいクルマとエンジンを用意してくれたと思います。Q2での自分のアタックは、しっかり1周、いいバランスのまま走りきれました。自分としても手応えのあるアタックだったと思います」
「(他メーカーに1秒以上の差をつけたことについて)ライバルメーカーがどういうこと(取り組み方)をしているのかは分かりませんけど、ホンダ勢はものすごく高いモチベーションをもって、毎戦毎戦、研究と解析を繰り返していますし、僕たち(ドライバー)もマシンの走らせ方をつねに議論しながらやってきています」
「このタイム差が見えていたかどうかというのは難しい質問ですが、力を出しきれば、自分たちの納得できるタイムは出せるだろうと思っていました。ただ、ここまでの差がつくとは思っていなかったですね」
「明日はポールからスタートできますが、伊沢選手も言っているように、ここはレース(を戦うの)が難しいサーキットです。とにかく自分たちの力を発揮して、チームとホンダに貢献していきたい、そして最終的に自分たちが納得できる手応えと結果で終われたら、と思っています。最終戦のもてぎに向けても大事な一戦なので、チームとしてもさらに勢いをつけられるようなレースにしたいですね」
■伊沢、スタートは「アクシデントや余計なバトルに巻き込まれる可能性はあまりないと思う」
伊沢拓也
「(決勝2位に入った前戦)SUGOのときもそうでしたけど、ここに来るまでは不安もあり、ここまでの順位(予選ポールポジション)が取れるとは正直思っていなかったです。朝の走り出しも思っていたより(マシン)バランスが良くなかったんですが、最後のクラス専有の時間帯になっていい方向にいったので、これは思わぬかたちでチャンスが来たかな、とは感じていました」
「予選Q1では『朝(の公式練習)からバランスが変わっている』と感じたので、そのあたりはウォームアップの仕方も含めて野尻選手(とチーム)に伝えました。(Q2での野尻選手の)セクタータイムの出方などを見ていると対応がうまくいったのかな、と思います。チャンピオン争いをしているなかで、こういういいパフォーマンスを出せて良かったです」
「佐伯(昌浩・ホンダ開発リーダー)さんが『夏場は厳しいけど、涼しい時期には力を発揮できるから』と言ってくれているんです。今季ここまでの結果も、前戦のSUGOだったり、僕たちが勝った(5月の)鈴鹿だったり、実際そうなっている面もありますので、こういうコンディションになってくれば力を発揮できる、と僕も実際に感じています」
「(チャンピオン争い、優勝争いについては)今シーズンを始めるというときには、ここまでうまくいくとは思っていなかったので、この状況には驚いているところもあります。チャンピオンシップに関しては100号車(RAYBRIG NSX-GT)とはちょっと点差がありますけどね。ただ、明日はNSXが3台、前からスタートできるので、アクシデントや余計なバトルに巻き込まれる危険性があまりないとは思います」
「ここはタイヤのピックアップなどもあったりして、レース(を戦うの)が難しいサーキット。(決勝は)走ってみないとどうなるか分からない面もありますが、予選で速く走れたことにはホッとしていますので、明日は思いっきりいきたいと思います」