F1の中団グループによる激しいバトルが2018年シーズン終盤戦へと入るなか、ルノーは“中団グループでトップ”の座を維持することに自信を持っている。しかし、ルノーのマネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、ルノーR.S.18に予選でより速いペースを求めている。
ルノーは第17戦日本GP終了時点でライバルのハースに対し、コンストラクターズで8ポイントの差をつけている。だが、最近この2チームの状況は相反しており、ルノーのパフォーマンスレベルが落ちている一方で、ハースのスピードは速くなっている。
アビテブールによると、ハースと比べるとルノーの弱点は、予選でのペースにあるという。
「シーズン終盤に入り、(コンストラクターズランキングの)4位争いは接戦になっている。しかし、我々はアメリカに向けて前向きな気分でいる」と第18戦アメリカGPを前にアビテブールは語った。
「中団チームに対して我々のレースペースに競争力があることは明らかだが、なんとしても予選でのペースを改善する必要がある」
「現在、予選7番手から16番手の差は非常に小さい。我々は決勝のグリッドポジションをできる限り上げなければならない。そこでポイントを得るか失うかが決まるのだ」
パフォーマンスの伸びはシーズン終盤戦にはいると僅かなものとなり、どのチームもリソースの多くを2019年に向け始めるため、開発とアップデートは段階的に縮小される。
「今シーズンの開発サイクルは終盤にきている。2019年のプロジェクトに次第に集中するようになっているからだが、それでも我々の最優先事項は2018年のスタート時に設定された目標であることに変わりはない」
「そのためには、残りの4戦を小規模なチャンピオンシップとして見る必要がある。オースティンが次の挑戦となるが、我々はポイントを獲得し自分たちの実力を示すという決意とともに、現地へ向かう」
ルノーのシャシーテクニカルディレクターを務めるニック・チェスターは、チャレンジングなコースであるサーキット・オブ・ジ・アメリカズでは、パフォーマンスを発揮するのに高い性能が要求されるという。
「優れた空力効率、ドラッグをそれほど発生させない優れたダウンフォース、パワー、それに予測可能で安定したマシンセットアップが必要だ」とチェスターは説明した。
「セットアップの点では特別なことはないが、コースには難しいコーナーの組み合わせが多くある。セクター3は我々と相性が良いはずだ。我々は高速のセクター1から、マシンのパフォーマンスを最大限に引き出すことを目指すことになるだろう」
中団グループでのバトルがあるものの、チェスターは拮抗した戦いが、ルノーのレースウイークエンドへのアプローチに変化は与えないと主張する。
「中団グループでの戦いが非常に拮抗していることは明らかだが、我々がコースで行う準備に変わりはない。なぜなら、すべての週末でポイントを獲得することを期待しているからだ」
「もちろん、中団の争いでは多くのことがあるが、我々はマシンからすべてを引き出すことができるようにより集中している。ゲームは始まっているのだ」