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リセール機能で悪質な転売業者封じも 「LINEチケット」使用レポート

2018年10月18日 16:22  リアルサウンド

リアルサウンド

 LINE TICKETが運営する100%電子チケットサービス「LINEチケット」が、10月10日にスタートした。これは、コンサートやスポーツ、演劇など、さまざまなエンターテイメントのチケットを、LINEから手軽に検索・購入・発券できる電子チケットサービスだ。購入したチケットはLINEを通じて送られてきて、コンビニエンスストアなどの店舗での手続きは要らず、当日の入場までLINEひとつで完結できるのがポイントだ。


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 「LINEチケット」には専用のアプリが存在しない。LINEアプリのウォレットにある関連サービスから「LINEチケット」をクリックすれば利用できる。「LINEチケット」のUIはとてもシンプルで、目立つのはオススメのチケット情報を教えてくれる画像付きのスライドショーだ。この記事を書いている時点では「RIRI ワンマンツアー」「茅原実里 SPIRAL LIVEツアー」「立川談春 独演会」「クリトリック・リス 野音ワンマン」「キンキーブーツ」が流れていた。


 検索では、地域・カテゴリー・期間の3種類で目的のチケットを探すことが可能である。例えば、地域を関西、カテゴリーを邦楽、期間を全期間としてしぼってみると、10月21日に梅田バナナホールで行われる神宿のコンサートや、同じく21日の大阪フェスティバルホール、NICO Touches the Wallsのライブなど、最新の情報がヒットするようだ。


 「LINEチケット」にはWeb版もあり、パソコンからの利用も可能である。支払いは、クレジットカード決済、コンビニ決済、LINE Pay決済に対応している。購入したチケットは、「LINE」でトークをするように、手軽に友だちとシェアすることもできる。イベント当日はスマートフォンに送られた電子チケットを受付スタッフに見せるだけで入場が可能だ。


 「LINEチケット」の最も革新的な機能は「公式リセール機能(2次販売)」である。チケットを購入したものの、急用ができたり、体調不良などの理由でライブやイベントに行けなくなった場合、「LINEチケット」上でチケットを販売できる。もちろん、これを利用してチケットを購入することも可能である。


 近年、人気のあるチケットは手に入れることが困難なケースが多く、悪質な業者を含めて、不正な転売や買い占めが問題になっていた。それを100%電子チケットによって解決したのが「公式リセール機能(2次販売)」だ。各チケットごとに、リセールの可否、リセールの販売価格は主催者側によって決められており、安全、安心にチケットを売り買いできる仕組みがつくられている。


 今年、4月に経産省が発表した「キャッシュレス・ビジョン」によると、2015年時点で、日本のキャッシュレス比率は18.4%であった。これは、韓国89.1%、中国60%、アメリカ45%などとくらべて低い数値だ。政府は、2025年までにキャッシュレス比率を40%まで上げることを目標としている。「LINEチケット」はこのような流れで誕生したサービスだ。これから数年で、キャッシュレスは劇的に進んでいくだろう。


 「LINEチケット」では今後、追加されていく機能として、LINE MUSICとの連携、各スポーツジャンルのチケット取り扱い、LINE公式アカウントとの連携、ユーザーの趣味に合わせたオススメ情報の配信、座席指定購入などを予定している。新しいサービスが定着していくには、安全・安心・簡単・便利をユーザーに実感してもらう必要がある。どのようにして、「LINEチケット」が安全・安心・簡単・便利を提供していくのか、これからの動きに期待がかかる。(吉川敦)