WRC世界ラリー選手権に参戦しているTOYOTA GAZOO Racing WRTは10月17日、2019年のドライバーラインアップを発表。オット・タナクとヤリ-マティ・ラトバラにクリス・ミークを加えた3名体制で臨むことを明らかにした。
2017年のシーズン途中からトヨタへ加わった若手のエサペッカ・ラッピはシトロエンへ移籍。2019年はセバスチャン・オジエとコンビを組む。また2018年限りで契約が切れる予定だったラトバラは、トヨタとの契約を延長している。
新たにトヨタ入りしたミークはイギリス出身の39歳。WRCにはこれまで91戦に出場し、5度の総合優勝、77回のステージ優勝を飾っている。長年、シトロエンのエースとしてWRCに参戦していたが、2018年シーズンはクラッシュが相次ぎ、5月にシトロエンとの契約を打ち切られていた。
ミークは火曜日にフィンランドにあるトヨタのファクトリーを訪れ、トヨタ・ヤリスWRCのテストを行ったといい、2019年シーズンに向けてモチベーションを高めたという。
「ここ数カ月は僕にとって難しい期間だったけど、もう一度ラリーを戦いたいという思いが強くなった」とミーク。
「もう一度、心の底からラリーカーをドライブしたいと思っていたし、ヤリスWRCで走ってみて、本当に幸せを感じたんだ」
「これまでラリーに人生を捧げてきたし、ラリーからいろいろなものを得た。今はまだ辞める時じゃないと感じたんだ。まだまだ上に行けると思っているし、トヨタという新天地でさらなる好成績を追っていきたい」
またミークはトヨタの指揮を執っているのがトミ・マキネンだったことも、契約を決意した理由だったという。
「トミ(マキネン)はWRCでもっとも成功したドライバーのひとりであり、ドライバーの視点というものを理解している、そういった人がトップを務めている組織は仕事がしやすいはずなんだ」
「チームとの交渉はかなりシンプルだった。僕にはほかの選択肢もあったけど、(WRCの世界に)戻るなら強いチームに加わりたいと思っていた。僕にとってトヨタは理想的な場所だよ」
チーム代表のマキネンは「我々はクリスの速さを知っているし、圧倒的な経験を持ち合わせていることも知っている」とコメントしている。
「彼の技術面に対する理解の深さは本当に高く、ヤリスWRCをさらに速くするために必要な知識やアイデアをもたらしてくれるはずだ」
「それにヤリ-マティ(ラトバラ)が引き続き、チームの一員であることをうれしく思うよ。彼とはこれまで素晴らしい結果を残しているし、ここ数戦は連続して表彰台に上がっている。これはとても重要なことだよ」
なお、ミークのコドライバーについては長年タッグを組んできたポール・ネイグルとは関係を解消。後任についてはアナウンスされていないが、WRC公式サイト『WRC.com』はヒュンダイに所属するヘイデン・パッドンと組むセブ・マーシャルが候補だとしている。