消費税の増税まであと1年。2%アップくらい関係ないというお金持ちは別として、給料が上がらないのにとあえぐ庶民としては、せめて増税前に何を買っておくべきなのか見極めておきたいものだ。
しかし、経済評論家の勝間和代さんは「消費税が上がる前に慌てて買わないほうがいい」と忠告する。10月15日放送の「バラいろダンディ」(TOKYOMX)で、増税前の駆け込み買いは不要であることを説いていた。(文:okei)
生産性が上がっているため、「毎年より良いものがより安く買えるようになっている」
番組では、週刊ポスト(10月26日号)の特集「地獄の消費税10%まで1年!『買っておく物』『買わなくていい物』」を紹介。焦って買わなくていいものは、不動産、車、テレビ・パソコン、トイレットペーパーや洗剤で、買った方がいいものは、冷蔵庫・洗濯機などの白物家電、市販薬だという。
ところが意見を求められた勝間さんは、「結論から言いますと、価格変動に2%は全部吸収されてしまうので、なんにもタイミング変えなくていいです」と言い切った。
「壊れたら普通に買えばいいし、買い替えタイミングは消費税アップ後でもいいです。消費税が上がると景気が悪くなるんですよ。景気が悪くなるから不動産も下がりますし、電化製品や車もバーゲンが始まって下がる可能性があります。2%以上の値下がりが十分見込めます」
また、いまは様々な物の生産性改革がなされているため、「毎年毎年、1年ごとにより良いものがより安く買えるようになっているので、2%ぐらいは1年2年で吸収されちゃうんですよ」と解説した。
消費者が駆け込みで買うので、「売り手はバーゲン品を押し込む」
逆に、慌てて買い物をすると損をする恐れがあるという。消費者が増税前に慌てて買おうとするのにつけ込んで、売り手が「バーゲン品」を売ろうとするからだ。
「慌てて買うから(売り手は)バーゲン品を押し込むんですよ。ある意味"慌てるナントカは貰いが少ない"ということわざがありますけど、それと同じような現象が起きます。逆に、消費税が上がるのを待って景気が冷え込んで、しょうがなく良いものを安く売るようになったとき、はじめて買ったほうがいいくらいです」
「あわてるナントカ」とは、「慌てる乞食は貰いが少ない」のことだろう。庶民感覚をよく表現していてツライ。いずれにせよ焦りは禁物のようだ。
安倍晋三首相は来年10月からの消費税10%への引き上げについて、予定通り実施する考えを示している。増税が景気に影響を与えないよう、政府はキャッシュレス決済した消費者に2%分のポイント還元などを検討しているが、漫画家の倉田真由美さんは、「カードを持てない人もいる。大変な人が楽にならない」と不満を漏らしていた。