母親向けの育児メディア「It Mama」が10月16日、同サイトの「もう試した?熱冷ましの新常識『キャベツ枕』の驚くべき効果」の記事を削除した。
記事は2014年10月17日に公開されたもので、子どもの発熱時、頭を包むようにキャベツを敷くと「キャベツの陰性(アルカリ性)が熱の陽性(酸化している血液)を中和し、熱がグングンと下がる」などと記載していた。今月に入り、複数のツイッターユーザーから内容に疑問の声が上がっていた。
同サイトはキャベツを利用した熱冷ましは「あくまでも民間療法であり解熱等との関連性はなく、これらの民間療法について効果が科学的に立証していない」と説明し、今後は再発防止を努めると謝罪した。
「使用したキャベツは感謝して捨てる」「無農薬・低農薬のキャベツがおすすめ」
記事では、「キャベツ枕」をヨーロッパの民間療法として紹介していた。保育園で栄養士を務める著者が効果やメリットについて執筆したという。発熱した子どもにキャベツ枕をすると、
「発熱時には呼吸がゼーゼーと苦しいこともありますが、スッと楽になり、嘘みたいに穏やかに眠りにつくことが出来ます。キャベツがしんなりしてくると効果が薄れてくるため、その度新しいものに取り替えると、熱の下がりはとても早くなります」
と記載。キャベツ枕の効果で38度あった熱が、翌朝には36度台まで下がることもあると紹介していた。記事中では、市販の熱冷ましシートは「ひんやりして気持ちがいい」だけで、「シート自体に"熱を吸い取る"という効能はない」とも書いている。
またキャベツは熱を下げるだけでなく「体内の毒素も吸い取ってくれる」という。最初はキャベツがすぐにしんなりするため10分間隔で交換する必要があるが、熱が下がると交換の間隔は長くなる。これは「熱が下がり始め、毒素が体内からしっかりと出始めた証」だと記していた。
使用したキャベツは食べずに「熱と毒素を吸い取ってくれてありがとう」と感謝して、捨てるよう勧めている。キャベツは「無農薬や低農薬のものを使うことをおすすめ」しているが、ない場合は中の葉を使用すればいいようだ。ただ翌朝になっても解熱していない場合、「無理せず医師に相談」とある。
「キャベツで熱下がるわけねーだろ」「濡れタオル交換する方が衛生的」
インスタグラムで「キャベツ枕」を検索すると16日18時現在、352件が投稿されている。中には民間療法だと理解した上で行っている人もいる。
ツイッターではキャベツ枕について、
「キャベツで熱下がるわけねーだろ」
「濡れタオル交換する方が衛生的と思いますよ」
「熱で苦しい表情の子供がキャベツ乗せられて写真撮られて画像upされてて…単純に可哀想」
など批判的な声が多く上がっている。
なお、同メディアでは、2016年2月に掲載された記事「もう病院に駆け込まなくてイイ?発熱時の症状別『お手当て法』4つ」でもキャベツ枕が紹介されている。16日18時現在、こちらは削除されていない。