メルセデスF1代表のトト・ウォルフは、最大のライバルであるフェラーリをポイントで大きく上回っているとはいえ、世界タイトル争いはまだ終わったと言える段階にはなく、チームは今週末のアメリカGPに向けて懸命に作業していると語った。
シンガポール、ロシア、日本の直近3レースで連続優勝を果たしたルイス・ハミルトンは、アメリカGPが開催されるオースティンでセバスチャン・ベッテルを10ポイント上回れば、3レースを残して5度目の世界タイトルを手にすることができる。
ウォルフは、このところのメルセデスチームの戦いぶりがフェラーリよりも良いことに安心感を強めてはいるものの、ライバルは今でも無視できない強さを備えているとして、以下のように語った。
「夏の間、我々のマシンは最速ではなかったが、その後のパフォーマンスは我々のほうが優位だった。ただし、直近のレースを見るとその差も縮まっている」
「フェラーリは強いマシンを持っており、アブダビの最終コーナーを走り終えるまで戦い続けるだろう」
「今までの17レースで強力な好敵手であり続けたフェラーリが、残る4レースで急に変わってしまうことは考えられない。我々同様、彼らは1ポイント、1ポジションを稼ぐために激しい戦いを続けていくだろう」
メルセデスは、ライバルに追い付き、さらに追い越すために、メルセデスW09のスピードを少しでも多く引き出そうと懸命の努力を重ねてきた。一方で、ウォルフはドライバーふたりが素晴らしい仕事を成し遂げてきたことも強調する。
「直近の7レースで6勝をあげたことで、ルイスは真に一流ドライバーであることを自ら証明してみせた」
「コースとコース外の両方において、彼はこれまでになかったほど完璧な存在になっている。マシンに乗れば堂々たるパフォーマンスを見せ、同時にチーム全体に対してより高いレベルで仕事を行うことを求めている」
「バルテリは夏の間は苦しいレースもいくつかあったものの、最近は強さが戻ってきた」
「彼はソチと鈴鹿の両グランプリで競争力の高い走りを見せ、メルセデスのチームスピリットを体現してくれた。このふたりをドライバーラインアップに持つ我々は幸運だ。そしてシーズン終盤に向けて、彼らを頼りにすることができる」
メルセデスはアメリカGPの週末に向けても、普段どおりの作業を根気強く続けていくつもりだ。
「今シーズンの戦いはまだ終わったとは言えない。だから我々はオースティンでも他のレースのときと同じやり方で取り組んでいく。一歩ずつ前進し、自分たちの仕事に集中し、コースで確実にパフォーマンスや信頼性を発揮できるよう仕上げていく」
「サーキット・オブ・ジ・アメリカズは、F1カレンダーに加わって以降ずっと、我々にとって相性の良いコースだ。だが過去の結果は今年の選手権とは何の関係もない」
「チームの全員が、当たり前のように良い成績が出るわけがないことを理解している。だから我々はこれまでと変わらずに努力を続ける。テキサスで良い結果を勝ち取るために懸命に取り組んでいく」
「今シーズンの選手権では、わくわくするような戦いが続いてきた。シルバーとレッドの世紀の戦いがどういう次章につながっていくのか、今から待ちきれない思いだ」