昭和大学は、医学部入試で現役と1浪の受験生に加点していたことを10月15日、会見で明らかにした。また一部の試験で合格者を決める際、同窓生の親族を優先させていたと各紙が報じた。
これに対して美容外科「高須クリニック」の院長で、同大医学部出身の高須克弥さん(73)は同日、ツイッターで、
「医師の家庭に育った学生は医師になる心構えができている。一次試験で学力がクリアーできているなら大学が見込んだ学生を選んでもいいではないか」
と投稿。同窓生の親族を優先させることは不公平ではないという考えを明らかにした。
「いい素質を持った学生を鍛え、良い医者に育てるので、素質・心構え重視が正しい」
同大は現役・1浪生に加点していた理由について会見で、「学習能力のみならず、より優れた医学生になっていくことが多い」と"将来"に対して加点していたと説明。同窓生の親族を優遇した理由は、合格しても辞退する受験生が一定数いることから「入ってくれる可能性が高い」とも説明した。
高須さんは翌16日、あらためて「僕は不正ではないと思います」と述べる。「文部科学省が『不正だ』と言うから昭和大学執行部が『その認識はなかった』と言っているだけです」とコメント。自身も「特待生入学」だといい、「特待生は利益を受けています。悪いですか?」と投稿した。
また「医学部は医師になるための教育を受ける場」とした上で、
「いい素質を持った学生を鍛えて良い医者に育てるのですから学力に加え素質や心構えを重視するのが正しいです。医師になる心構えのない学生は研究者に向いています。医師免許はいりません。病人の役に立つ臨床医を育てるのが私立医学部の義務です」
と持論を展開した。
「そもそも文科省官僚の騒動が発端」と怒りをあらわに
問題の発端になった東京医科大入試不正問題については「そもそも医者になる心構えができているかどうかわからぬ学生を東京医大に裏口入学させた文部科学省の役人が騒動の発端」と憤りをあらわにしている。
「文部科学省のお役人が息子を東京医大に裏口入学させたのが問題の発端なのに昭和大学の採点にケチつけて『大変遺憾だ』なんて笑わせる。 事件の本態は文部科学省の収賄事件だろ? 文科相、病態を誤診するな」
また、自身が2011年に出家し、僧侶の資格試験で一度落とされたときのエピソードも明かした。一緒に受験した子どもたちが合格だったため、高須さんは「不公平だ」と抗議したそうだ。しかし、合格した少年たちはお寺の跡継ぎとして育てられ「心構えが出来ている」という試験担当僧侶の説明に納得したという。「突然僧侶になろうと志した老人」とは違いがあるとも顧みていた。
ツイッターでは、大学側の裁量で加点・減点されることそのものよりも、「その事実を受験生が知らされていないことが問題」という声が多く上がっている。