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ブランパンGTアジア最終戦:ランボルギーニが王座獲得。Team Studieはペナルティで戴冠ならず

2018年10月15日 19:51  AUTOSPORT web

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GT3クラスのチャンピオンとプロアマクラスのチャンピオンを獲得したFFFレーシング・バイ・ACM
ブランパンGTシリーズ・アジアは10月13~14日、中国・寧波にある寧波インターナショナル・サーキットで2018年シーズン最終大会となる第11~12戦が行われ、ランボルギーニ・ウラカンGT3を走らせるFFFレーシング・バイ・ACMのマーティン・コドリック/デニス・リンド組19号車がGT3クラスのシリーズチャンピオンに輝いた。

 またGT3プロ/アマクラスでは、同じFFFレーシング・バイ・ACMのマルコ・マペッリ/濱口弘組63号車ランボルギーニがチャンピオンに輝き、チームは2クラス制覇を成し遂げた。Team Studieがチャンピオン獲得に挑んだGT4クラスはレース1でStudieの81号車BMW M4 GT4にタイムペナルティが下され、グループMレーシングの666号車メルセデスAMG GT4をドライブするラインホルド・レンガーが栄光を手にした。

■第11戦:GT4で逆転王座狙ったTeam Studieは痛恨のタイムペナルティ
 13日(土)に行われた第11戦でGT3クラスはグループMの999号車メルセデスAMG GT3がポールポジションを獲得。2番手に19号車ウラカンがつけた。

 決勝では、2番手スタートの19号車ウラカンが好スタートを決めて1コーナーまでにトップへ浮上。2番手には999号車メルセデスが続いたが、1コーナーへの進入で後方から追突されてコースオフしてしまう。

 さらに続く2コーナーではKCMGの23号車ニッサンGT-RニスモGT3が追突されてスピンするなど、レースは荒れた立ち上がりとなり、1周目が終了する前にセーフティカーが導入された。

 このセーフティカーランは決勝残り42分となるころまで続き、19号車ウラカンを先頭に、27号車フェラーリ488 GT3、3号車アウディR8 LMS GT3が続く形で再開された。

 レース再開から7分後にはピットウインドウがオープンとなるが、トップの19号車ウラカンは第10戦上海で優勝しているため、ピットストップで15秒のサクセスペナルティが課される。その分のマージンを稼ぎ出すべく、19号車ウラカンはスタートから16周、レース残り28分のタイミングまでピット作業を引っ張る作戦に出る。

 しかしポジションを守るに充分なマージンは築けず、19号車ウラカンは7番手でコースに復帰。代わってトップには27号車フェラーリが浮上した。

 レース終盤には再度セーフティカーが導入されたこともあり、最終的に19号車ウラカンは5位までポジションを上げてチェッカー。ポイントランキング首位の座は守ったものの、王座を争う27号車フェラーリが優勝したため、リードが20ポイントから5ポイントまで縮まった状態で翌14日(日)の最終戦に臨んだ。

 GT4クラスはポールシッターの81号車BMWがレースをリード。しかし、2番手にはポイントリーダーの666号車メルセデスが続く展開となる。

 砂子塾長のドライブでトップをひた走ったStudieの81号車BMWだったが、前戦で優勝しているためピットでは15秒のサクセスペナルティを課されてポジションダウン。後半スティントを担当した木下隆之が挽回を図る。

 レース終盤、木下は前を走る72号車BMWを交わして、クラス2番手でチェッカーを受けたが、レース後に72号車BMWへのオーバーテイクは黄旗掲示中に行われたと判断されドライブスルーペナルティ相当の30秒のタイム加算を受けることに。

 これで81号車BMWはクラス7位まで順位を落とし、ランキング首位レンガーとのポイント差が26ポイントまで拡大してしまう。翌日の第12戦で優勝しても25ポイントしか獲得できないため、最終戦を前にレンガーのチャンピオンが確定し、Team Studieの逆転王座はならなかった。



■第12戦:19号車ウラカンが劇的勝利で王座獲得。Studieはうっぷん晴らす5勝目

 迎えた最終戦の第12戦、GT3クラスランキング首位の19号車ウラカンは6番手からスタート。レースはポールシッターの888号車メルセデスをドライブするラファエル・マルチェッロがリードしていく。

 チャンピオンを争う27号車フェラーリは3番手、999号車メルセデスは4番手でレース中盤を迎えたが、999号車メルセデスはレース残り40分を切ったところで他車と接触して左リヤサスペンションを破損。リタイアを余儀なくされた。

 これでチャンピオン争いは27号車フェラーリと19号車ウラカンの一騎打ちとなると、27号車フェラーリはピットで前日の勝利で課された15秒のサクセスペナルティも跳ねのけ、19号車ウラカンの前で戦列へ復帰してみせる。

 しかし、その後、サクセスペナルティの停止時間が14.5秒でわずか0.5秒規定に達していないことが判明。これで追加のピットインを余儀なくされて勝負権を失った。

 ライバルたちが相次いで姿を消したことでチャンピオンをほぼ手中に収めた19号車ウラカンは、レース残り10分を切るところで、37号車アウディを攻略して2番手に浮上。

 すると、その3分後、ポールからスタートしレースを支配していた888号車メルセデスが燃料系のトラブルで突如ストップ。一度は再スタートしたものの、その直後にマシンを止めてしまった。

 これで19号車ウラカンはトップに繰り上がると、そのままチェッカー。チャンピオン決定戦を劇的な勝利で飾った。

 プロアマクラスを戦う63号車ウラカンは12位でチェッカーを受けて獲得ポイントを186としてクラスタイトルを確定。アマチュアドライバーとして臨んだ濱口はプランパンGT初の日本人チャンピオンとなっている。

 GT4クラスは前日にペナルティを受けた81号車BMWが完璧なレース運びを披露。クラス2位に1周差をつける圧倒ぶりでシーズン5勝目を挙げた。