DTMドイツツーリングカー選手権は10月14日、ホッケンハイムリンクでシリーズ最終戦が行われ、前戦まで5連勝を飾っているレネ・ラスト(アウディRS5 DTM)が連勝記録を“6”に伸ばした。また、そのラストとチャンピオンを争うゲイリー・パフェットは3位に入り、4ポイント差でラストの連覇を阻止。2005年以来、自身2度目のタイトルを決めている。
13日の第19戦に続き“フィナーレ”の冠タイトルが掲げられたホッケンハイムで迎えた2018年シーズン最終戦。今季限りでDTMから撤退するメルセデスAMG勢にとって“ラストレース”となる今戦は土曜のレースと同様に、ラストとパフェット、そしてポール・ディ・レスタ(メルセデスAMG C63 DTM)の3名によるチャンピオンシップ争いに注目が集まった。
この3名のなかでもっとも獲得点数の少ない226ポイントで最終レースに臨んだラストは2番手から好スタートを切ると、1コーナーまでにポールシッターのマルコ・ウィットマン(BMW M4 DTM)を交わしてトップに立った。
一方、ラストに対して14点のリードを持つパフェットは3番手グリッドからスタートし、ますは順位をキープ。上位2台に離されることなくチャンスを伺っていく。
上位3台が約4秒以内に入る膠着状態のなか、まずはじめに動いたのは2005年王者だった。
パフェットは11周終わりにピットに戻ると、13周終わりにピットインしたラストを交わすことは叶わなかったが、17周目まで引っ張ったウィットマンの前に出ることに成功する。
しかし、2014年と2016年に王座に輝いているBMWのエースも意地を見せ、22周目のヘアピンでパフェットをオーバーテイク。一度奪われた2番手の座を奪い返してみせる。この間に首位を行くラストは、後続とのギャップを広げ、最後まで危なげない走りで55分を走破。36周目のファイナルラップをまとめ、6戦連続となるトップチェッカーを花火とともに受けている。
ポールスタートのウィットマンは2位でフィニッシュし、終盤はリスクを避けるためにクルージングに徹したパフェットが3位に入った。ラストが優勝の25ポイントを加算しチャンピオンポイントを251点としたのに対し、パフェットは15点を追加して255ポイントに。また11番手スタートのディ・レスタが決勝でも後方に沈んだことから、2005年王者パフェットの実に13年ぶりとなる2度目の戴冠が決定した。
パフェットはレース後、DTM公式サイトのDTM.comに次のように語った。
「僕たちはこの場所にたどり着くために13年間、ずっと努力を続けてきた。今日という日は僕の人生の生にとって最高の一日だよ! まるでおとぎ話のようだ」
「レース終盤は(コクピットの中で)周回数をカウントダウンしていた。最終ラップの心境はそれもう格別だったよ」
メルセデスのDTMラストイヤーにチャンピオンという最高の“プレゼント”を所属メーカーに贈ったパフェット。37歳の新王者は今後、ABBフォーミュラE選手権に活躍の場を移し、2度のDTMチャンピオンとしてメルセデスの前線部隊、HWAレースラボで次のレースキャリアをスタートさせる予定だ。