プレスインフォメーション
2018年10月14日
世界耐久選手権(WEC)第4戦富士 決勝
ポルシェが富士で勝利しチャンピオンシップのリードを拡大
ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:オリバー・ブルーメ)のGTワークスチームは、富士スピードウェイで10月14日(日)に開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)の第4戦、富士6時間耐久レース決勝において510psを誇る911 RSR(#92)を駆るケビン・エストーレ(フランス)/ミハエル・クリステンセン(デンマーク)組がGTE-Proクラスで勝利を飾りました。
チームメイトの911 RSR(#91)をドライブしたリチャード・リエツ(オーストリア)/ジャンマリア・ブルーニ(イタリア)組は5位でチェッカーを受けました。
この結果により、ポルシェはマニュファクチュアラーおよびドライバータイトル争いでリードを広げました。GTE-Amクラスでは今年からWECに参戦するチームチーム・プロジェクト1がポルシェワークスドライバーのヨルグ・ベルグマイスター(ドイツ)、パトリック・リンジー(アメリカ)、エギディオ・ペルフェッティ(ノルウェー)により初優勝を飾りました。
5つのマニュファクチュアラーの合計10台によって争われるGTE-Proクラスは天候の変化に翻弄されました。霧雨が降り続くなかで迎えた決勝レースはスタートからまもなく30分間に渡ってセーフティカーがコースに留まり、その間に路面が乾き始めました。
エストーレとクリステンセンの92号車は他に先駆けてスリックタイヤを装着します。コンディションにマッチしたセットアップと見事なピット戦略によって、フランス人とデンマーク人のコンビは徐々に上位陣とのリードを狭めます。
レースが残り90分になった頃、クリステンセンはトップに躍り出ます。最後のピットストップでステアリングを託されたエストーレはトップのままコースに復帰し、リードを保ったままチェッカーフラッグを受けました。ブルーニとリエツの91号車はタイヤのトラブルとピットのミスにより5位でレースを終えましたが、貴重なポイントを持ち帰りました。
チーム・プロジェクト1が優勝したGTE-Amクラスでは、ポルシェ・ヤングプロフェッショナルのマッテオ・カイローリ(イタリア)と星野敏(日本)、ジョルジオ・ローダ(イタリア)のデンプシー・プロトン・レーシング、88号車は2位を獲得し、今シーズン初めてポディウムに上がりました。
ポルシェジュニアのトーマス・プレイニング(オーストリア)はガルフ・レーシングのマイケル・ウェインライト、ベンジャミン・バーカー(ともにイギリス)と組んで素晴らしいWECデビューを飾りました。
ポルシェ・ヤングプロフェッショナルのマット・キャンベル(オーストラリア)がクリスチャン・リード(ドイツ)、ポルシェジュニアのジュリアン・アンドリューとドライブし、GTE-AMクラスのタイトル争いをリードするもう1台のデンプシー・プロトン・レーシングの911 RSRはピットでの修理に時間を費やして8位に終りましたが、手堅くポイントを獲得して首位の座を保持しています。
2018/19年のWEC第5戦は上海で10月16日に開催される予定です。
■レース後のコメント
アレキサンダー・ステーリッヒ(GTモータースポーツ プログラムマネージャー)
「予選には失望しましたが、決勝で素晴らしい結果に恵まれ良い一日になりました。ポルシェは13日にアメリカで行われたIMSAのプチ・ル・マンで優勝し、ここ富士でもGTE-ProおよびGTE-AMクラスで勝利を収めました」
「レース中に下したほぼすべての判断は的中し、クルマも速く素晴らしい仕上がりでした。92号車はミスなくレースを戦いましたが、91号車はピットストップでトラブルに見舞われてしまいました。最終スティントにおける車のバランスは良いとは言えませんでしたが、満足いく結果を得られました」
ミハエル・クリステンセン(ポルシェ911 RSR ゼッケン92)
「天候と路面の変化で難しいレースになりましたが、私達はそういった要因を乗り越えました。ライバルより早いタイミングでスリックタイヤに履き替えたことが勝利のカギだったのかも知れません。天気予報が変化していくなか、リスクを犯してスリックを選択したのです。最終的に、この作戦が功を奏しました」
ケビン・エストーレ(ポルシェ911 RSR ゼッケン92)
「信じられない勝利です。セットアップは素晴らしく、優れたブレーキにも助けられました。この2点は富士のレースにおいて重要な要素です。レース序盤のセーフティカーの最中にスリックを履きかえたことで、ライバルよりも遅いタイミングでのブレーキングを可能にしたセッティングが有利に働きました。ピット戦略も完璧でした」
リチャード・リエツ(ポルシェ911 RSR ゼッケン91)
「まずはここ富士のGTE-ProとAMの勝者、そしてIMSAのプチ・ル・マンウイナーを祝福したいと思います。ポルシェにとっては素晴らしい週末になりましたが、我々は残念な結果に終わりました」
「レース中に発生した問題の原因を解析する必要があります。ドライバーと911 RSRのパフォーマンスに問題がなかったのは明らかです。上海には強くなって戻りたいと思います」
ジャンマリア・ブルーニ(ポルシェ911 RSR ゼッケン91)
「難しいレースでした。ピットストップで貴重な時間をロスし、順位を落としました。次戦ではもう少し運に恵まれる事を望みます。変わりやすい天候には苦労しましたが、チームは良い仕事をしてくれました」
ヨルグ・ベルグマイスター(ポルシェ911 RSR ゼッケン56)
「昨日までのセッションと同様、レース序盤は満足できるものではありませんでした。接触やスピンが起きて作戦を変更したせいか、中盤にチャンスが訪れました」
「チーム・プロジェクト1にとって初めての優勝です。多くのポイントを獲得し、大きなステップとなりました。この勝利には満足していますし、チームは正しい方向に進んでいると思います」
マッテオ・カイローリ(ポルシェ911 RSR ゼッケン88)
「良い結果だったと言えるでしょう。911 RSRのドライブを楽しみました。コース上でのバトル、特にオーバーテイクをする際の動きは素晴らしかったです。クラスでは最速だったので、勝てたレースでした。今回初めてチームを組んだ星野さんには感銘を受けました。テストを含めて911 RSRに乗ったのが2度目とは信じられません」
トーマス・プレイニング(911 RSR ゼッケン86)
「WEC初戦で良い経験ができました。レースをリードしたタイミングもあって、チームは良い仕事をしてくれました。最後にはダブルスティントを担当し、5位入賞を果たしました。上海に向けて幾つかの点を最適化していくつもりです」
マット・キャンベル(ポルシェ911 RSR ゼッケン77)
「レース中盤には良い兆しも見えていたので、不満が残ります。我々には速さがありトップも射程圏内に捉えていました。しかし電気系統のトラブルで約25周を失いました。それでもタイトル争いに有利となるポイントも獲得したので、納得したいと思います。911 RSRには速さがあるので、上海戦には楽観的です」。
ジュリアン・アンドリュー(ポルシェ911 RSR ゼッケン77)
「スタートも決まって速さもありました。技術的なトラブルによりピットに留まり、レースに復帰したのは25周を失った後でした。その後はクルマもバランスも良く素晴らしい速さを発揮しました。全員がミスなく仕事をこなしましたが、トラブルに邪魔されました。優勝するチャンスはありました。これもレースです」