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白石麻衣、西野七瀬、生田絵梨花……乃木坂46×アーティストコラボで発揮されるソロとしての個性

2018年10月15日 10:21  リアルサウンド

リアルサウンド

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 今夏、グループ初となる全国ドーム&スタジアムツアー『真夏の全国ツアー2018』を成功させ、名実ともにトップアイドルグループの仲間入りをした乃木坂46。ドラマに、映画、バラエティ、舞台、ラジオ……と活躍は多岐に渡り、一人ひとりが個人として花を咲かせていっている。最近では、ほかアーティストの作品にボーカルや楽器演奏として参加するメンバーも増えてきた。本記事では、それらのメンバーの活躍を紹介していきたい。


参考:乃木坂46 与田祐希、『NOGIBINGO!10』第2回で“わがままセンター”に ロケでポニーと触れ合う


■白石麻衣 with 東京スカパラダイスオーケストラ


 今年7月にスタートした『キリン 氷結(R) 300%レモン(期間限定)』のTVCMにて、白石麻衣は東京スカパラダイスオーケストラのコラボレーション相手を務めた。和太鼓グループ・彩 -sai-とともに、女性和太鼓奏者のひとりとして「Paradise Has No Border」をセッションしている。その後、9月に放送された『ミュージックステーション ウルトラFES 2018』(テレビ朝日系)では、歴代のコラボ相手の一人さかなクンも交え、「東京スカパラダイスオーケストラ feat.さかなクン&白石麻衣」の名義で出演。幼少期に、地元のお祭りで太鼓を叩いていたという白石は、黒の浴衣から捩り鉢巻きに法被という出で立ちで、堂々たるステージングを披露した。中でも話題になっているのが、その後に乃木坂46としてパフォーマンスした「シンクロニシティ」で映し出されていた、右手の平の水ぶくれ。セッション前の白石の手元をよく見ると、テーピングを巻いていることが確認でき、この日のために何時間も費やしてきた白石の練習量と顔には出さない直向きさを感じさせる。


■tofubeats「ふめつのこころ」天野アイ(西野七瀬)ver.


 2018年1月期より放送していたドラマ『電影少女 -VIDEO GIRL AI 2018-』(テレビ東京系)で、西野七瀬はビデオガール・天野アイを演じた。ドラマのエンディング「ふめつのこころ」は、tofubeatsが原作漫画、脚本を読み、天野アイに向けて作った楽曲。〈今日もひとついいところ/みつけたからおしえてあげよう〉は、天野アイのセリフがフィーチャーされた歌詞だ。通常はtofubeatsがボーカルを取ったバージョンが流れるのだが、9話のエンディングにて西野七瀬が天野アイとしてボーカルを取り、歌い踊る映像が流れ話題となった。残念ながら、西野ボーカルの「ふめつのこころ」は、楽曲単体の配信、CDへの収録の予定はないことが発表されており、幻の楽曲となりつつあるのが現状だ。その後、9月20日に西野はグループからの卒業を発表。9月23日に出演した『りんご音楽祭』にて、tofubeatsは天野アイverの「ふめつのこころ」をDJでかけている。〈ふめつのこころは LOVE LOVE LOVE〉という歌詞に意味を見出してしまうのは、気のせいだろうか。


■MONDO GROSSO「惑星タントラ」[Vocal:齋藤飛鳥(乃木坂46)]


 大沢伸一のソロプロジェクト・MONDO GROSSOが、昨年14年ぶりにリリースしたアルバム『何度でも新しく生まれる』は、初の全曲日本語詞のボーカル曲で統一された作品だった。ゲストボーカルには、ゴールデンコンビと言えるbirdやUAのほかに、満島ひかり、やくしまるえつこ(相対性理論)の名が並び、その一人として抜擢されたのが齋藤飛鳥であった。どうやら大沢の知人の紹介により、齋藤のボーカル起用は決定したようで、「曲の世界観そのままに、宇宙人みたいな不思議な雰囲気を持った女の子で面白かったですね」と大沢は齋藤の印象をオフィシャルインタビュー(参考:MONDO GROSSO 公式サイト)で語っている。作詞はやくしまるえつこ(Tica•α名義)で、どこか浮遊感のある曲調、歌詞の世界観とが齋藤の声質がマッチしており、さらにMVでは大沢をバックに従え、乃木坂46では見せない大人の表情を見せている。ちなみに、昨年MONDO GROSSOは、アルバムリリース後に『FUJI ROCK FESTIVAL』に出演。REDMARQUEEのステージで「惑星タントラ」も披露され、オケではあるが齋藤の声が苗場に響いていた。


■城田優『a singer』「エメ(ロミオとジュリエット)duet with 生田絵梨花」


 生田絵梨花は10月24日にリリースされる城田優のアルバム『a singer』に、「エメ(ロミオとジュリエット)duet with 生田絵梨花」として参加する。生田の舞台経験は、グループの中でも突出しており、舞台『モーツァルト!』より「愛していれば分かり合える」を山崎育三郎とともに『Mステ』史上初のミュージカル曲として披露したことも。城田との共演は2013年の『ロミオ&ジュリエット』が始まり。乃木坂46としてもソロとしてミュージカル楽曲は持ち合わせているが、こうして『ロミオとジュリエット』の経験が楽曲として収められるのは、一つの才能の証と言えよう。


 ほかにも昨年末にグループを卒業した中元日芽香は、長年アシスタントMCを務めた『らじらー! サンデー』(NHKラジオ第1放送)にてオリエンタルラジオとともに「旅立ち」をテーマにファンへの思いが詰まった「LAST NUMBER (feat. 中元日芽香 (乃木坂46))」を制作。2016年末には、映画『好きになるその瞬間を。~告白実行委員会~』のエンディング主題歌として、「HoneyWorks meets さゆりんご軍団+真夏さんリスペクト軍団 from 乃木坂46」名義にて「大嫌いなはずだった。」を発表している。


 さらに遡れば、2014年には毎年恒例の『真夏の全国ツアー』の「OVERTURE」をBOOM BOOM SATELLITESが制作したこともあった。本記事で取り上げているフィーチャリングとは逆パターンではあるが、アーティストとのコラボという点では、ここがスタートであったとも言える。白石、西野、齋藤といったグループの顔と言えるメンバーが抜擢される一方で、次はどのメンバーがゲストとして取り上げられるのか。世代交代が進む乃木坂46の次の担い手が誰か、そのひとつの指標として見るのも面白いかもしれない。(渡辺彰浩)