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ふるさと納税「おいしい返礼品」次々消滅…もはや宝探しの様相 総務省見直しで

2018年10月14日 11:02  弁護士ドットコム

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ふるさと納税の返礼品で見直しを求められた自治体のうち9割が見直す方針ーー。10月11日、時事通信が自らの調査結果として報じると、ネット上では当然視する反応がある一方で、「見直しかぁ」と残念がる声もあがった。総務省による引き締めは強烈だが、見直すかどうかは自治体の判断。ゲリラ的に総務省方針に真っ向から反する自治体もあり、わずかに残る「おいしい返礼品」探しが一部で盛り上がっている。


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●「返礼率60%」4日で姿消す

10月3日、昼前。東京都内に住む30代の会社員男性は、Twitterを眺めていて「超高還元」の返礼品が10月1日から31日までの期間限定で出品されていることを察知した。自治体は、鹿児島県南種子町。縁もゆかりもないが、最近出ているなかでは破格の条件であることに惹かれ、すぐに8万円の寄付をポータルサイト「ふるなび」から申し込んだ。


8万円の寄付に対して4万円分の旅行券(日本旅行ギフトカード)と、8000円分のAmazonギフト券がもらえるという内容だ。8万円の寄付をしたらあわせて4万8000円分が返ってくることになり、単純計算で返礼率は「60%」にのぼる。総務省は「3割以下に」と要請しているなか、驚くほどおいしい返礼品だと感じた。


旅行券が送られてくるのは2019年1月以降の見込み。男性は「いまから旅行が楽しみ。旅行券を使って、スノーボードをかねて新潟や長野あたりの温泉宿に行こうと思っています」。南種子町に感謝しつつも、旅行券を使って南種子町に行くことは考えていないという。


ちなみに申込者が殺到し、この返礼品の寄付受付は10月4日夕方ごろまでに終了した。「遅かった。もうなくなってた」「お昼休みのうちに寄付しといてよかった」。4日夜にかけてTwitterではこうしたつぶやきも見られた。


●旅行券を用意する熊取町に「国に負けないで」と激励

最近は、大阪府熊取町が用意する返礼品が「お得度が高い」と話題だ。上記サイト「ふるなび」の人気返礼品ランキング(10月12日時点)で1位になっている。


内容は、寄付額の半額分の旅行券(近畿日本ツーリスト旅行券)と寄付額の1%分のAmazonギフト券がもらえるというもの。たとえば、ふるなびを使って8万円寄付したら、4万円分の旅行券と800円分のAmazonギフト券がもらえる。旅行券の額で言えば南種子町と同等だ。


ただ、この返礼品に対する寄付受付は10月末で打ち切られることになった。「これまでの総務省による要請は『技術的助言』(従う義務なし)だったが、今後は法規制をする方針が示された。熊取町に寄付した方が控除を受けられないとなるとよくないので、いったん総務省の意向を尊重して様子を見ることにした」(熊取町政策企画課)という。


一部のファンは「復活させて」「国に負けないで」と熊取町に応援メッセージを送っている。政策企画課の担当者は「町に神戸牛や松阪牛のような返礼品がないなか、知恵をしぼってやってきた。打ち切りは苦渋の決断だが、我々も復活させたい思いはある」と話した。


●総務省は法規制の構え

総務省は方針に従わない自治体に寄付をしても、税制上の優遇を受けられなくするよう法規制をする考えを表明している。早ければ2019年4月から新制度が始まる見通しだが、自治体のなかでは「総務省が一方的に条件を押しつけている」(大阪府泉佐野市)など不満もくすぶっている。


(弁護士ドットコムニュース)