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WEC富士:ロペス「すぐに報告していれば……」。トヨタ、7号車が予選タイム抹消となるも8号車が地元PP

2018年10月14日 04:31  AUTOSPORT web

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自身のミスを悔やんだホセ-マリア・ロペス
WEC世界耐久選手権は10月13日、静岡県・富士スピードウェイで第4戦富士6時間レースの公式予選が行われ、セバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、フェルナンド・アロンソ組8号車トヨタTS050ハイブリッドがポールポジションを獲得した。小林可夢偉らが乗り込む7号車トヨタは8号車を上回るタイムを記録したものの、予選後にピットレーン速度違反が発覚したことでLMP1クラス最後尾へ降格となっている。

 悲願のル・マン優勝を果たしたトヨタにとって地元凱旋レースとなる第4戦富士。12日と13日に行われた計3回のフリープラクティスすべてでトップ2を独占する速さを見せているトヨタは14時30分から開始されたLMPクラスの公式予選に臨んだ。
 
 WECの予選は1台のマシンをふたりのドライバーがドライブし、それぞれのアタックラップの平均タイムで順位を決定する方式が採られている。トヨタは今回、7号車にホセ-マリア・ロペスと可夢偉、8号車トヨタはアロンソとブエミというメンバーがアタックを実施した。
 
 まず好タイムを出したのはアロンソがドライブした8号車だった。しかし、ふたりめのブエミがアタック時にコースをはみ出してしまい当該タイムが抹消に。8号車はこの直前まで7号車を0.006秒上回っていたが、ブエミが2度目のアタックを終えた時点では、反対に0.091秒及ばず2番手となった。
 
 これにより可夢偉組7号車の2戦連続ポールが決まったかに思われたが、予選後、ロペスがピットロードの制限速度(60km/h)を8.7キロオーバーしていたことが発覚。その時点までに計測されていたロペスのタイムは抹消され、その結果7号車はアベレージタイムが計測されていない事態となったことから予選失格という結果に。
 
 このため8号車トヨタが繰り上がりでポールポジションを獲得した一方で、7号車は速度超過分の罰金を課せられると同時に、スターティンググリッドに関わる規定に基づき明日の決勝をクラス最後尾から臨むこととなっている。

■小林可夢偉「昨日よりいい感触。ポール喪失は本当に残念」

「“地元富士”でポールポジションが獲得できたと思っていただけに、それを失うことになり本当に残念です」と語るのは7号車トヨタTS050ハイブリッドをドライブする可夢偉だ。

「チームはこの週末、素晴らしい仕事でクルマを仕上げてくれて、今日は昨日よりも格段に良い感触で走れました。決勝レースでは、頑張ってくれているチーム、そしてファンのみなさまの声援に報いるためにも最後まで諦めずに全力で戦います」

「今回の件は僕のミスだ」と語ったロペスは「二度とこのようなことが起こらないよう、今日の反省を心に刻むつもりだ」と続けた。

「僕の最大のミスは、ラップタイムには影響はないだろうと思い込み、すぐに状況を報告しなかったことだ。これは完全な間違いだったよ」

「もしこうなることが分かっていてすぐに報告していれば、新たにアタックして(平均タイムを残すための)タイムを出すことができていたはずだ。しかし、今回の件は勉強になった。残念な結果だけど、まだ長い決勝レースが待っているから必ず追い上げる!」

 一方、4年ぶりに地元富士でポールポジションを獲得した8号車のブエミは「7号車のみんなは素晴らしい仕事をしていただけに(この結果は)残念だよ」とコメントした。
 
「こんな形でポールポジションを獲得するのは本意ではなかった。唯一の救いは、四輪コースオフのミスが払拭されたことだろうか……。チームの目標が達成できるよう、明日はいつものようにレースに集中するよ」

 また、8号車のアタッカーを務めたアロンソは「マイク(・コンウェイ)、可夢偉、ホセにとって、気の毒な結果となってしまった。予選ワン・ツーが幻となってしまい、とても残念だよ」と述べる。
 
「一時はポールポジションを掴みながらも、(ブエミの)四輪コースオフでそれを失い、最終的にはポールポジションとなる、僕たちにとっては激動の予選だった」

「ノンハイブリッド勢とのタイム差が縮まり、明日の決勝は(これまでよりも)厳しいレースになるだろう。しかし、何があっても明日はベストを尽くして、地元のファンのみんなへ勝利を見せられるよう全力でレースに臨むよ」

 WEC世界耐久選手権第4戦富士6時間レースの決勝は14日、11時にスタートが切られる。スターターはテニスプレイヤーの伊達公子さんが務める予定だ。