DTMドイツツーリングカー選手権は10月13日、ホッケンハイムリンクで第19戦が行なわれ、3番手グリッドからスタートしたレネ・ラスト(アウディRS5 DTM)が破竹の5連勝を飾った。
フィナーレイベントの第1レースに位置づけられた今戦はドライバーズ選手権暫定2位のゲイリー・パフェット(メルセデスAMG C63 DTM)が2番手グリッド、同3位のラストが3番手、ランキング首位のポール・ディレスタ(メルセデスAMG C63 DTM)は5番手と、チャンピオンシップを争う3名が上位に並ぶなかでスタートを迎えた。
晴天の下で始まった55分+1周のレースではオープニングラップで、パフェットがポールスタートのルーカス・アウアー(メルセデスAMG C63 DTM)を攻略してトップに立つと、ひとつ後ろのポジションからスタートしたラストも一時は4番手に順位を下げたが、5周目までに2番手に順位を上げていく。
首位を争う2台は約2秒という僅差のまま中盤を迎えると、まずはラストが13周目にピットへ。これに反応する形で14周目にパフェットもピットインを済ませ、順位をキープしたままコースイン。しかし、ピットアウト後に差を詰めたラストは16周目にオーバーテイクを決めてパフェットの前に出ることに成功する。
全車がピットインを済ませたレース後半、改めてトップ2となった2台は、ときに接触しながら白熱のバトルを展開するが、最後は26周目に入ったセーフティカーランの解除後も好ペースを維持したラストがトップチェッカー。見事5連勝を飾った。
ラストはレース後、DTMの公式サイトDTM.comに対し「僕自身驚いているよ! 今日のレースで勝てるなんて信じられかったことだ」と語った。
「(チャンピオンの)決定を最終戦に持ち越すことが僕たちの目標だった。明日も今日のようなスリル満点のレースができたら、本当にタイトル防衛を果たせるかもしれない。今夜は落ち着ついて眠れないだろうね」
一方、ラストと首位を争ったパフェットはレース終盤にティモ・グロック(BMW M4 DTM)、ロビン・フラインス(アウディRS5 DTM)に相次いで交わされ4位に。また、今戦での戴冠の可能性もあったディ・レスタも終盤にアウディ勢の猛攻に遭い、最終的に8位でのフィニッシュとなった。
この結果、ドライバーズチャンピオンシップはパフェットが239ポイントで首位に。ディレスタが6点差の2位、3位のラストが224ポイントと上位2名との差を詰め、14日に行われる最終戦でのタイトル防衛へ望みをつないでいる。