10月13日に公式予選を迎えた2018-19年のWEC世界耐久選手権“スーパーシーズン”第4戦富士。予選を終えたドライバーたちがセッションをふり返るとともに、決勝への展望を語った。
ここではLMP1トップにつけた8号車トヨタTS050ハイブリッドの中嶋一貴、四輪脱輪でタイム抹消の憂き目にあった7号車トヨタTS050ハイブリッドのセバスチャン・ブエミ、予選2番手につけた1号車レベリオンR13・ギブソンのアンドレ・ロッテラー、予選5番手につけた11号車BRエンジニアリングBR1・AERのジェンソン・バトンのコメントを紹介しよう。
●中嶋一貴(8号車トヨタTS050ハイブリッド)
「セクター3以外のほぼすべてのエリアでノンハイブリッド勢のほうが速い」
昨日は7号車はあまり(フィーリングが)よくなかったみたいですけど、今日(の走行)を見る限りそこまで差はないのかなという印象です。お互い、少しずついいところ悪いところがあるのかもしれないです。正直、それを判断するのが難しいくらい僅差ですよ。
レベリオンの予選タイムを見ると(EoT分を差し引くと)僕たちより速いタイムになるんです。最高速は向こう(レベリオン)のほうが速いのは間違いないですし、セクター3以外のほぼすべてのエリアでも向こうのほうが速い状況です。
(仮に最終コーナーを同時に立ち上がって加速勝負になれば)交わすのはそう簡単ではありません。今日もホセ(マリア・ロペス)が丸々1周、抜けなかった場面がありましたから。
(決勝に向けては)多少の微調整で済むとは思いますけど、今日はこのあと雨が降るみたいですし、明日どこまで(雨の)影響が残るかでコースコンディションが変わってきますから、未知数な部分は多いです。
●セバスチャン・ブエミ(8号車トヨタTS050ハイブリッド)
「結果的に予選は後味の悪いものに」
結果的に予選は後味の悪いものになってしまったね。僕が記録したベストタイムは(四輪脱輪で)抹消されてしまったのだから。ただ、7号車とはコンマ1秒もないくらいの差になっている。
明日の決勝に向けて、できることはすべてやるつもりだけど、タイム抹消だけは本当に残念だよ。急きょ変更されたEoTについてはレースのために重要なものだとは理解しているけどね。受け入れるしかないよ。
●アンドレ・ロッテラー(1号車レベリオンR13・ギブソン)
「決勝ではほかのプライベーターとはいいバトルができそう」
ほぼ完璧なアタックができた。唯一、問題があったとすればターン11でアップシフトがうまくできなかったことくらいだ。ギヤがスタックしてしまったんだ。燃料使用量をコントロールするため、早めにアクセルをオフにしなくてはならなかったのも残念なポイントだったね。
マシンの感触自体はセッションごとに改善されていったから、そこは満足している。決勝はほかのプライベーターとはいい戦いができそうだ。トヨタには歯が立たないだろうけどね。
●ジェンソン・バトン(11号車BRエンジニアリングBR1・AER)
「マシンがバウンドするトラブル。フリープラクティスでは出ていない症状で原因不明」
自分のラップタイムには満足しているけど、(予選セッションで)マシンがバウンドするトラブルに見舞われた。ひどい状況だったから、決勝までには解決されるとうれしいね。
それに(予選では)燃料使用量をセーブする必要もあった。(1スティントあたりに)使用できる燃料量が増えたけど、それでもホームストレートでいつもより200メートルも早くアクセルオフしなくてはいけないんだ。
マシンがあまりに跳ねるから、かなりタフな状況でのアタックを強いられた。ホームストレートはとくにひどかったね。フリープラクティスでは出ていない症状だから原因がまったくわからない。
(跳ねていても)マシン自体は安定していた。ただ視界がブレてしまうからコーナーのエイペックスが見えないんだ。その状況でトラックリミットも意識して攻めなくてはならなかったから大変だったよ。
ただ、この問題が解決できれば決勝ではライバルと競えると思っている。