WEC世界耐久選手権は10月13日、第4戦富士6時間レースの走行二日目を迎え、9時30分から予選前最後のフリープラクティス3回目が行われた。このセッションでトップタイムをマークしたのはTOYOTA GAZOO Racingのマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ-マリア・ロペス組7号車トヨタTS050ハイブリッド。総合2番手に僚友の8号車トヨタがつけ、ノンハイブリッド勢最上位のSMPレーシング、17号車BRエンジニアリングBR1・AERが総合3番手に入った。
上空を分厚い雲に覆われながらも雨粒が落ちてくる様子はなく、気温13度、路面温度17度と前日よりもタイムの出やすいコンディションのなかで開始された土曜のFP3。このセッションでは12日のFP1、FP2で破損が相次いだ“コースーサイドバンプ”がすべて撤去され、同時に前日の度重なる赤旗中断によって走行時間が減少したことから終了時刻が30分延長され、出場各車に90分間の走行機会が与えられている。
予選、決勝前最後のプラクティスとなるFP3は、チェッカー間際にTFスポーツの90号車アストンマーチン・バンテージがボンネット内部から白煙を挙げてストップするも、セッション途中にコース全体が規制されるような大きなトラブルなく順調に推移。そのなかでトップタイムをマークした7号車トヨタは、ロペスからステアリングを受け継ぎ、予選シミュレーションを行なった可夢偉が1分24秒589を記録してみせる。
このタイムにジェンソン・バトン駆るSMPレーシングの11号車BRエンジニアリングBR1・AERが1分26秒379で続き一時は総合2番手となるが、最終的にはセバスチャン・ブエミのドライブで1分25秒180をマークした8号車トヨタTS050ハイブリッドが7号車トヨタとともにワン・ツー。総合3番手は1分25秒675というタイムを記録したSMPの17号車BR1となっている。
LMP2クラスはジャッキー・チェン・DCレーシングの37号車オレカ07・ギブソン(ジャズマン・ジャファー/ウェイロン・タン/ナビル・ジェフリ組)がコースレコードを上回る1分29秒352でクラストップに。井原慶子を擁するラルブル・コンペティションはクラス7番手だ。
“激戦区”LM-GTEプロクラスではトップ5に参戦する5メーカーのマシンが1台ずつ並ぶ大接戦模様を呈し、唯一1分36秒台のタイムを刻んだポルシェGTチームの92号車ポルシェ911 RSR(ミハエル・クリステンセン/ケビン・エストーレ組)がル・マンウイナーの貫禄を見せつけ、トップに立っている。LM-GTEアマクラスはガルフ・レーシングの86号車ポルシェ911 RSR(マイケル・ウェインライト/ベンジャミン・バーカー/トーマス・プレイニング組)がプロクラスの間に割って入る好タイムをマーク。予選に向けて順調な仕上がりをみせた。
日本勢は星野敏擁するデンプシー-プロトン・レーシングの88号車ポルシェがクラス3番手。澤圭太が所属するクリアウォーター・レーシング、61号車フェラーリが同5番手に入り、その後ろ6番手に石川資章率いるMRレーシングの70号車フェラーリがつけている。
WEC世界耐久選手権第4戦富士6時間レースはこのあと14時から、決勝グリッドを決定する公式予選が行われる予定だ。