FIAは10月12日、全14戦で構成される2019年のWRC世界ラリー選手権開催スケジュールを発表した。2019年のカレンダー入りを目指していた日本ラウンドの記載はなく、代わって新たにチリが開催国入りを果たしている。
2019年の開催スケジュールは12日にフランス・パリで開催された世界モータースポーツ評議会(WMSC)で承認されたもので、WRCが全14戦で争われるのは2008年以来のこと。開幕戦は2019年1月24~27日のラリー・モンテカルロ、最終戦は11月14~17日のラリー・オーストラリアとなる。
2018年は月に1度の開催が基本軸となっていたWRCだが、2019年は3月と5月、6月、10月に2回開催される構成に。また、6月16日から8月1日までの期間はサマーブレイクとしてシリーズ戦は開催されない。
2019年に向けては、2010年以来のWRC日本ラウンド(ラリー・ジャパン)復活を目指し、WRC日本ラウンド招致準備委員会が発足。2019年9月または11月に愛知県、岐阜県を中心としたターマック(舗装路)イベントを開催するべく招致活動を続けていたが、先に報じられたようにカレンダー入りはならなかった。招致準備委員会は2020年のカレンダー入りを目指して活動を継続していく方針だという。
新たにカレンダー入りを果たしたラリー・チリは第6戦として5月9~12日に開催。第5戦アルゼンチンから1週間のインターバルを経て、グラベル(未舗装路)ベースのイベントとして行われる。
「ヨーロッパ圏外のイベントを増やすことでチャンピオンシップのグローバル化戦略を推し進めていく」と語るのは、WRCプロモーターでマネージングディレクターを務めるオリバー・シースラ。
「(2018年に復活した)トルコ戦で我々はアジアに大きな足跡を残すことができた。2019年にカレンダー入りしたチリでも同じことができたらうれしい」
「2018年にチリで開催された(視察イベントの)キャンディデートラリーのレベルはかなり高かった。ラテンアメリカでイベントを連続開催することで、ファンの興味をさらに高めることができるはずだ」
「現在、世界各国からWRCを開催したいという声が届いている。これはシリーズの人気が高まっていることの証だ。我々は今後数年をかけてシリーズを成長させて、新たな重要マーケットへ踏み出していくつもりだ」
なお、2019年のカレンダー入りを目指していた日本、2020年のカレンダー入りを目指しているケニアでは、将来的なWRC開催を視野にキャンディデートイベントを実施する方針だという。
そのほかWMSCでは、2019年からF1と同じくゼッケンをドライバーの希望制にすることや、コスト削減としてマニュファクチャラーチームに許されているテスト日程を55日から42日に削減すること、スペシャルステージ(SS)の最大走行距離を従来の500キロから350キロに短縮することなどが決議されている。
また、シリーズの下位クラスにあたるWRC2内に、新しくWRC2プロ選手権を立ち上げることもアナウンスされている。このWRC2プロ選手権の設立により、メーカーやワークス支援を受けるドライバー、マシンの参入を促すとしている。
2019年のWRC開催スケジュールは以下のとおり。
■2019年WRC開催スケジュール(10月13日時点)
Rd.RallyDate1モンテカルロ1月24~27日2スウェーデン2月14~17日3メキシコ3月7~10日4フランス3月28~31日5アルゼンチン4月25~28日6チリ5月9~12日7ポルトガル5月30~6月2日8イタリア6月13~16日9フィンランド8月1~4日10ドイツ8月22~25日※11トルコ9月12~15日12グレートブリテン(GB)10月3~6日※13スペイン10月24~27日※14オーストラリア11月14~17日※
※印は開催日程の承認待ち